研究課題/領域番号 |
19H01812
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
吉野 元 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (50335337)
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研究分担者 |
池田 昌司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00731556)
金 鋼 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (20442527)
宮崎 州正 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40449913)
小渕 智之 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40588448)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | ガラス転移 / ジャミング / フラストレート磁性 / コロイド / 制約充足問題 / 統計的推定 / ニューラルネットワーク / ヤーンテラー効果 / スピングラス / 深層ニューラルネットワーク / ジャミング転移 / フラストレートスピン系 / ソフトマター / 情報統計力学 / 機械学習 |
研究開始時の研究の概要 |
気体から液体への転移など、多数のミクロな自由度の相互作用によって引き起こされる相転移現象の本質的理解に統計力学的な「スピン模型」がしばしば重要な役割を果たす。本来「スピン」は、電子スピンなどを指すが、ここではより広い意味でのベクトル自由度を指す。本研究では、この最も単純なミクロ自由度と言えるベクトル自由度が示すガラス転移、ジャミング転移を、フラストレート磁性体、方向自由度をもつ楕円体コロイドなどのソフトマター、さらに深層学習の情報理論的問題にまで広くまたがって理論・数値解析し、その普遍性を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本プロジェクトでは、スピン(回転自由度)の関わるガラス・ジャミング転移の物理と数理を広範な領域において分野横断的に研究した。具体的は、フラストレート磁性体、コロイドガラス、ベクトル変数の統計的推定・制約充足問題、深層ニューラルネットワークの学習理論において理論的、数値的に研究を行った。その結果、パイロクロア酸化物Y2MO2O7における外的乱れなしに起こるスピングラス転移のメカニズムの解明、コロイドガラスのガラス・ジャミング相図の導出、多成分ベクトル自由度の統計的推定の理論性能の解析と推定アルゴリズムの実装、深層ニューラルネットワークにおける学習に関する統計力学的理論の構築に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガラスの物理学はソフトマターから固体物理学、情報科学にまでまたがる学際的問題である。本研究ではスピン (多成分ベクトルで表される回転自由度) に注目しつつ、外的な乱れによる通常のスピングラス転移とは本質的に異なる、スピンの自発的なガラス転移のメカニズムを解明する。このために、統計力学理論と数値シミュレーションによる研究を展開し、分野横断的に解析する。具体的には [A] フラストレートスピン系、[B] ソフトマター系、さらに [C] 多成分ベクトル変数を自由度とする制約充足問題や情報推定などの新しい情報科学の問題の解析を行う。以上の知見を統合し、 [D]「ガラス 転移の数理」を抽出する。
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