研究課題/領域番号 |
19H01814
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関川 太郎 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90282607)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | キラル分子 / 円偏光高次高調波 / 非摂動相互作用 / 高次高調波発生 / 円偏光 / 高次高調波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は, 1)キラル分子と高強度円偏光パルスの非摂動磁気双極子相互作用により発生する円偏光高次高調波を観測すること, 2)円偏光高次高調波スペクトルをプローブとして,キラル分子を光励起した後の電子状態もしくは構造変化を検知し,電子状態もしくは構造変化のダイナミクスを研究することである. その研究の意義は,1)分子のキラリティは磁気双極子相互作用から生じ,非摂動領域の磁気双極子相互作用は未開拓である.キラルな非摂動非線形光学現象の普遍性を確認する.2)磁気双極子はエネルギー状態のみならず分子構造も反映するため,吸収分光など電気双極子相互作用により生じる現象とは異なる情報が期待される。
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研究成果の概要 |
互いに直交する円偏光の基本波(ω)とその第二高調波(2ω)の合成電場は三回対称性を持ち、発生する円偏光高次高調波の3m+1次、3m+2次はそれぞれωと2ωの円偏光と同じである。貴ガスから発生する3m+1次と3m+2次の強度比は、最外殻軌道の磁気量子数に依存する。そこで、固定したキラリティを持つキラル分子からの高調波スペクトのの3m+1次と3m+2次の強度比は円偏光に依存することが期待される。本研究では、リモネンおよび酸化プロピレン鏡像異性体から発生した高次高調波スペクトルにおいて、上記現象を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体関連分子や薬剤には鏡像異性体を持つものが多い。しかしその物理的な性質は同じであり、異性体の区別が難しい。通常用いられる円偏光の吸収の違い(円二色性)は1万分の1の違いしかない。今回発見した高次高調波発生の円偏光による違いは百分の1と大きい。そのため、高次高調波発生により容易に分子のキラリティの弁別を行うことができる可能性がある。生体反応においてキラル分子の選択性が重要な役割を果たしており、生体内のキラリティに依存する反応を観測することに適用できるであろう。
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