研究課題/領域番号 |
19H01817
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松永 隆佑 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50615309)
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研究分担者 |
秋山 英文 東京大学, 物性研究所, 教授 (40251491)
中辻 知 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70362431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | テラヘルツ / 反強磁性 / ワイル半金属 / トポロジカル半金属 / 超高速ダイナミクス / テラヘルツ分光 / 磁化制御 / 強磁場 |
研究開始時の研究の概要 |
高速かつ強い磁場によって物質中に誘起される現象を調べることは、新奇物質相の探索、非線形磁気応答の解明、さらに高速磁気制御による応用面においてとても重要である。本研究では、独自のメタマテリアルを作製することで、1テスラ級の磁場尖頭値を持ち、正負非対称なモノサイクル高強度テラヘルツ磁場の発生技術開拓に取り組む。 さらにこの磁場パルスを用いて、反強磁性マンガン化合物の非線形応答の研究を行う。ワイル磁性体におけるワイル点を電磁場で直接制御し、最終的にはテラヘルツ帯における超高速磁化反転を実現させ、高速磁気メモリとしての応用への礎を作ることを目指す。
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研究成果の概要 |
ワイル反強磁性体Mn3Snは、反強磁性秩序に由来してテラヘルツ周波数帯で高速にスピン歳差運動が生じ、かつ外場に対して強磁性体並みに巨大な応答を示すという特性を持つ。そのため次世代の高速スピントロニクス情報処理の候補物質として期待されている。 本研究ではテラヘルツ周波数帯の磁場および電場によって物質を高速に制御して磁気情報を書き込み、かつ高速に読み出すための技術開発を進めた。テラヘルツ異常ホール効果によって反強磁性磁気秩序を電流ベースで読み出すことに初めて成功し、さらにその超高速ダイナミクスを時間分解計測して調べることで、非平衡下では電子温度の急上昇が大きく影響を与えることを初めて見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ワイル反強磁性金属Mn3Snの高速電磁応答は、スピントロニクス情報処理技術をテラヘルツ周波数帯へ高速化するという応用面で非常に重要であるとともに、多極子秩序やトポロジーに由来した電磁応答という点で基礎物理学的にも非常に興味深い。本研究では、先端的な光技術の開発によって、基礎と応用の両面において重要なMn3Snのテラヘルツ電磁応答とそのダイナミクスを初めて明らかにすることに成功し、国内外に大きなインパクトを与える成果が得られた。 さらに関連するトポロジカル半金属の非線形応答や光制御といった研究にも派生させ、今後の更なる発展が見込める筋道を得た。
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