研究課題/領域番号 |
19H01825
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
有賀 哲也 京都大学, 理学研究科, 教授 (70184299)
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研究分担者 |
奥山 弘 京都大学, 理学研究科, 准教授 (60312253)
八田 振一郎 京都大学, 理学研究科, 助教 (70420396)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 原子層科学 / 表面科学 / 電子輸送 / 極微細伝導体 / 表面 / トポロジカル絶縁体 / 層状物質 / 表面界面 / 電子状態 / 原子配列 / 超薄膜 / 低次元物質 / 単分子層磁性 / 表面・界面 / 低次元金属 / 共役π電子系 / 電気伝導 / 2次元物質 / 近藤効果 / Rashba効果 |
研究開始時の研究の概要 |
金属カルコゲナイド、金属ハライドなどの2次元物質が新しい電子材料として注目されている。本研究では、このような2次元物質が有する電子スピン物性と2次元電気伝導性に着目し、これらが織り成す低次元物性を明らかにする。具体的には、単層低次元金属の電気伝導性とそれに対する磁性不純物の効果、ラシュバ型スピン分裂を有する2枚の単層低次元金属同士の相互作用による超伝導など新しい物性現象の探索を進める。
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研究成果の概要 |
原子層伝導体は、3次元的な固体とは異なり、数原子厚さの極薄物質であり、電子や正孔の伝導が2次元面内に束縛されることにより興味深い物性が現れる。本研究では、絶縁体や半導体の表面上に金属などを1層から数層の超薄膜として精密成長させ、その電子状態や電気伝導特性を検討した。インジウム少数原子層に関しては、基板としたシリコン表面とインジウム層の間にマグネシウム層を挿入することにより、ほとんど自立した2次元金属を実現することに成功した。層状トポロジカル絶縁体のテルル化ビスマスについては、5原子層からなる単位層ごとの精密成長に成功し、単位層と単位層の間のテルルーテルル界面が電気伝導を担うことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エレクトロニクスの発展は、半導体素子の微細化と素子材料の多様化を通した高機能化、多機能化によって支えられてきた。本研究は、このようなエレクトロニクス研究の動向と方向を一にしつつ、その先を行く先鋭的な方法論に基づいて、原子層科学に基づく低次元物質の精密科学を開拓し、新たな低次元物性、超薄膜物性の方法論を切り開くものである。とりわけ、テルル化ビスマス超薄膜における原子レベル電子輸送経路が決定されたことにより、この電子輸送経路を化学的、物理的に修飾、制御する可能性が開拓できたことは、学術的にも、社会的にも大きな意義があると考える。
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