研究課題/領域番号 |
19H01826
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
金崎 順一 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80204535)
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研究分担者 |
東 純平 佐賀大学, シンクロトロン光応用研究センター, 准教授 (40372768)
深津 晋 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60199164)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 半導体 / 光励起 / キャリアダイナミクス / 正孔動力学 / 時間角度分解光電子分光法 / 光電子差分分光法 / フェムト秒レーザー / 超高速緩和現象 / キャリア動力学 / 2光子光電子分光 / 電子・正孔 / シリコン / ゲルマニウム / III-V族半導体 / 正孔 / 励起電子 / 光電子分光 / 発光分光 / 2光子光電子分光 / 角度分解光電子分光 / ポンプ・プローブ法 |
研究開始時の研究の概要 |
半導体の物性やデバイス機能の発現において、伝導帯励起電子系と同様に価電子正孔系の役割は重要であるが、これまでその動的挙動を直接観察する手法が存在しなかった。本研究では、代表者らが開発した時間・角度分解光電子差分分光の手法と、佐賀大学が所有する光電子軌道制御多次元イメージング装置を融合し、励起電子系と正孔系密度分布の緩和過程を、時間・エネルギー・運動量の多次元空間において解明する。更に、光電子分光イメージと電子正孔再結合に伴う発光スペクトルを時間分解的に同時測定する事により、励起直後から再結合に至るまでの励起キャリア系の緩和過程を、電子系と正孔系の両面から、総合的かつ統一的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、光励起前後において時間分解光電子分光スペクトルを測定し、それらの差分分光スペクトルを経過時間に対して画像化することにより、従来の時間分解分光測定により得られる伝導帯励起電子系の情報のみでなく、これまで得ることが困難であった価電子正孔系の密度分布の時間発展についても直接的な知見を得た。光励起により半導体物質の伝導帯に励起電子系を、価電子帯に正孔系を注入し、これらキャリア系の密度分布がエネルギー及び運動量空間において時間発展する現象を実時間追跡することにより、励起キャリア系の緩和動力学を支配する散乱素過程に関する直接的知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
半導体を光励起すると、伝導帯に励起電子系、価電子帯に正孔系の非平衡分布が形成される。これら励起キャリア系は、エネルギー・運動量空間において種々の散乱過程を経て、バンド端まで緩和し、最終的には再結合等を介して消滅する。励起キャリア系の緩和現象は、非平衡量子多体系の動的振る舞いが顕著に現れる典型的な物理現象であり、学術的に重要である。更に、本研究課題の内容は、半導体物質における電荷輸送・熱輸送・発光・スピン伝導といった基礎的特性、光誘起構造変化・光触媒といった励起誘起現象等にも直接的・間接的に関与しており、その全貌の解明は広い産業分野において波及効果が大きく、極めて重要である。
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