研究課題/領域番号 |
19H01830
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
湯川 龍 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40759479)
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研究分担者 |
望月 出海 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (30579058)
大坪 嘉之 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 次世代放射光施設整備開発センター, 主任研究員 (70735589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
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キーワード | 表面超構造 / 電子構造 / 酸化物 / 全反射高速陽電子線回折 / 光電子分光 / 角度分解光電子分光 / 表面電子状態 / 低次元 / 放射光 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、角度分解光電子分光(ARPES)を用いた研究で、表面超構造に起因した特異な電子状態がいくつも報告されている。こうした電子状態が表面物性に影響を及ぼすと考えられることから、表面超構造に起因した電子状態の解明が望まれる。 本研究では、非常に強力な表面超構造決定手法である全反射高速陽電子線回折(TRHEPD)法を用いて表面超構造を正確に決定する。TRHEPD測定と放射光を用いたARPES測定を同一表面にて行う拠点を実現し、新奇低次元電子物性発現の舞台である表面近傍の電子状態を徹底的に解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は表面近傍の新奇な電子物性を解明するため、表面の超構造を正確に決定し、同一試料表面に於いて角度分解光電子分光(ARPES)で電子状態を明らかにするための実験手法の高度化と本手法を用いた試料表面の解明を目的とした。 酸化チタンの清浄表面計測手法の開発に伴い表面超構造がadmolecularモデルで記述されることを突き止めた。ZnO表面では表面近傍の結晶性が発光特性を大きく変化させることを明らかにした。さらに、トポロジカル絶縁体表面では強固と考えられていた表面状態を表面超構造によって変えられることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ微細化技術の発展に伴い、試料表面が電子物性へ与える影響についてへの理解がますます重要になりつつある。酸化物試料は電子デバイス応用だけでなく、発光デバイスや光触媒としても応用される。トポロジカル絶縁体試料は、原子構造に起因した電子状態への理解が必須となる。 本研究では酸化物試料やトポロジカル絶縁体試料に於いて、表面超構造や表面近傍の結晶性が電子物性を大きく変えることを示した。本研究で得られた知見は表面を利用した高速・低消費電力素子や発光素子開発を加速すると期待される。加えて、20年以上議論の別れているアナターゼ型酸化チタンに於ける表面超構造の決定に重要な役割を果たした。
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