研究課題/領域番号 |
19H01831
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13020:半導体、光物性および原子物理関連
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研究機関 | 東京理科大学 (2022-2023) 国立研究開発法人情報通信研究機構 (2019-2021) |
研究代表者 |
吉原 文樹 東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 教授 (80525907)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
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キーワード | 超伝導量子ビット / 量子ビット測定 / 交差共鳴 / 超電導量子ビット / 読み出し / 回路Hamiltonian / 量子情報 / 超伝導回路 / マイクロ波工学 / 量子測定 |
研究開始時の研究の概要 |
量子コンピュータの最小構成要素である量子ビットを取り扱う上で、量子ビットの測定は大変重要である。特に、量子コンピュータのエラー訂正には速く正確な量子ビット測定が不可欠である。そこで、本研究では、超伝導量子ビットの一種である磁束量子ビットを測定するために、交差共鳴磁束バイアスを用いた測定法(交差共鳴法)の開発に取り組む。交差共鳴法は、従来法である分散シフト法より信号の分離が速く、高速かつ低誤り率な量子ビット測定が期待できる。交差共鳴法による磁束量子ビットの測定回路を設計・作製し、測定時間、誤り率等の性能を分析することで、高性能な量子ビット測定法を実現する。
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研究成果の概要 |
コヒーレンス特性と高い非調和性を兼ね備えたコンデンサ短絡型磁束量子ビットを対象とし、従来法である分散読み出し法より高速・高忠実度な量子ビット測定が可能な交差共鳴読み出し法の研究を行った。 作製したサンプルを希釈冷凍機を用いて数10 mKに冷却し、交差共鳴法と従来手法である分散測定法との比較を行った。量子ビットが0状態の時と1状態の時との透過信号の複素振幅差を測定したところ、同じ測定時間において交差共鳴法の方が透過信号の複素振幅差が大きいという結果が得られた。この結果により、同じ測定時間において交差共鳴法の方が高い忠実度で0状態と1状態との読み出しを行える可能性があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
誤り耐性量子コンピュータを実現するには、量子エラー訂正が不可欠である。量子エラー訂正では、量子ビットの状態を短時間でかつ正確に測定し、その測定結果に応じて量子ビットゲート操作を行う必要がある。また、コヒーレンス特性に優れた量子ビットを使うことで少ない数の量子ビットで誤り耐性量子コンピュータの基本構成単位となる誤り耐性量子ビットを構築することが出来るようになる。 本研究成果は、コヒーレンス特性に優れたコンデンサ短絡型磁束量子ビットと高速・高忠実度な量子ビット測定が可能な交差共鳴読み出し法の組み合わせの有効性を実験的に示したという点において学術的・社会的意義が大きいと言える。
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