研究課題/領域番号 |
19H01843
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
町田 理 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, 上級研究員 (60570695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | トポロジカル超伝導体 / マヨラナ粒子 / 超伝導渦糸 / 走査型トンネル顕微鏡 / トポロジカル超伝導 / 走査トンネル顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
情報化社会に革新をもたらす外乱に強いトポロジカル量子計算の実現に向けて,マヨラナ粒子の検出と制御はその量子計算過程の根幹をなす課題である.本研究は,トポロジカル超伝導体の渦糸芯に局在したマヨラナ粒子の直接検出と実空間制御の実現を目指すものである.具体的には,スピン偏超低温極走査型トンネル顕微鏡(STM)を用い,トポロジカル超伝導体Fe(Se,Te)における渦糸芯マヨラナゼロモードの検出とそのスピン構造の可視化により,マヨラナ粒子の検出法を確立すると共に,磁性体STM探針を用いて渦糸芯を実空間で動かし,マヨラナ粒子の実空間制御を行う.これにより,マヨラナ粒子の検出と実空間制御の方法を確立する.
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研究成果の概要 |
本研究は,走査型トンネル顕微鏡を用いてトポロジカル超伝導体の渦糸芯におけるマヨラナ準粒子の検出と制御を目的としている.トポロジカル超伝導体FeSeTeの渦糸芯でマヨラナゼロモードと矛盾しないゼロエネルギー励起の観測に成功し,このゼロエネルギー励起が磁場の大きさに伴い消失することも明らかにした。この磁場依存性は,磁場によってマヨラナ準粒子を制御できる可能性を示唆している.またマヨラナゼロモードのスピン偏極性を捉えることを目的とし,極めて高いスピン分解能が期待されるYu-Shiba-Rusinov探針の開発に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トポロジカル超伝導体におけるマヨラナ準粒子は,その特異な性質を利用した新たな量子計算技術(トポロジカル量子計算)の基本構成要素として大きな注目を集めている.本研究では,マヨラナ準粒子の重要な特徴であるゼロエネルギー励起の検出に成功し,さらにその外部磁場応答を微視的立場から明らかにした.これらの結果は今後の量子計算技術への応用において極めで重要な知見を与える.さらに新たに開発したYu-Shiba-Rusinov状態を用いたスピン偏極分光技術も今後のマヨラナ準粒子の研究においてその検出法の一翼を担うと期待される.
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