研究課題/領域番号 |
19H01854
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
福原 武 国立研究開発法人理化学研究所, 量子コンピュータ研究センター, ユニットリーダー (30742431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
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キーワード | 光格子 / 量子気体顕微鏡 / フラストレートスピン系 / ラマンサイドバンド冷却 / 機械学習 / フロケ制御 / カゴメ格子 / フラストレーション / 量子スピン液体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、光の干渉により作り出された格子構造(光格子)に閉じ込められた極低温原子気体を用い、カゴメ格子上の反強磁性量子スピン系の研究に取り組む。量子気体顕微鏡という単一格子レベルでスピンの操作や測定を行える技術を実装することで、実空間のスピン分布や相関、量子エンタングルメントなどといった従来の物性実験では直接見ることのできなかった情報にアクセスし、カゴメ格子・反強磁性量子スピン系で発現する新奇な状態、量子スピン液体の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
カゴメ格子の基本的な構造となる三角格子において、極低温原子気体を単一格子・単一原子レベルで測定することに世界で初めて成功した。また、量子気体(ボース・アインシュタイン凝縮体)を生成し、三角光格子に導入することで超流動-モット絶縁体の量子相転移の観測にも成功した。その際に、トラップ中での飛行時間測定法を行うことで、量子気体顕微鏡を用いた運動量分布の測定が可能であることも実証できた。更に、光格子の位相を変調することで格子間トンネリングの符号を反転させるフロケ制御も実装した。負のトンネリングは反強磁性結合となるので、これによりフラストレートした量子スピン系の研究を行う準備ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質の性能を向上させたり、これまでにない機能を持った物質などを開発したりするには、固体物質という量子多体系を理解することが不可欠である。これに対して、制御性に優れた別の量子多体実験を用いて、固体物質を実験的に理解しようとする量子シミュレーションが注目を集めている。本研究は、冷却原子実験系を用いて、フラストレート磁性体の量子シミュレーションを行い、量子スピン液体などの新奇な状態の解明を目指すものである。フラストレート磁性体研究の舞台となるフラストレートした量子スピン系の準備が整い、量子シミュレーションの実現に向けて大きく前進した。
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