研究課題/領域番号 |
19H01855
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
花栗 哲郎 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (40251326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
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キーワード | 走査型トンネル顕微鏡 / 分光イメージング / Mott絶縁体 / バンド幅制御 / フォノン / Dirac電子 / 電子ネマティシティ / Mott転移 / 電荷密度波 / 1T-TaS2 / NiS2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、SのSe置換によってバンド幅制御型のMott転移を示す1T-TaS2-xSexとNiS2-xSexの二つの物質を対象に、分光イメージング走査型トンネル顕微鏡を用いて電子状態を系統的に調べ、Mott転移近傍の非自明な電子状態の探索を行うとともに、Mott転移の臨界領域における電子状態解明を行う。
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研究成果の概要 |
分光イメージング走査型トンネル顕微鏡を用いた強相関電子系の電子状態の研究は、そのほとんどが銅酸化物超伝導体を対象にしており、その他の系に応用された例は少ない。そこで、バンド幅制御Mott転移を示す、1T-TaS2とNiS2を対象に、分光イメージングを行った。その結果、論争となっていた1T-TaS2の絶縁性の起源に関して、電子相関の重要性を改めて示した他、上部Hubbardバンド直下に形成されるフォノンと結合した新奇束縛状態を発見した。NiS2に関しては、ステップエッジに金属的状態が形成されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
強相関電子系は、高温超伝導現象をはじめとする非自明な物性創発の舞台であり、その背景となる電子状態の実験的解明は重要な学術的意義を持つ。本研究で、論争となっていた1T-TaS2の絶縁性の起源に関する電子相関の役割が明確になったことにより、本物質を舞台とする創発現象発現の期待が高まったといえる。フォノンと結合した新奇束縛状態は、このような強相関系に特徴的なダブロン様の励起と考えられ、今後のより詳しい研究の対象として興味深い。NiS2における金属的エッジ状態も、トポロジカル物性等、他分野との関連からも重要な発見であると考えている。
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