研究課題/領域番号 |
19H01857
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鳥谷部 祥一 東北大学, 工学研究科, 教授 (40453675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2019年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 分子モーター / DNAナノテク / 人工分子モーター / DNAナノ構造 / DNAナノテクノロジー / ナノデバイス / DNAウォーカー / ナノテクノロジー |
研究開始時の研究の概要 |
生体分子モーターは,生命の進化が生んだ超高性能の自律的ナノマシンである.運動の詳細はほぼ分かっているが,どうやって超高性能を実現しているのか,その根本的な設計思想が分かっていない.モーターの各要素を細かく調べるだけでは不十分で,分子全体としての協働的な運動の理解が不可欠である.そのための本質的なアプローチは,模倣したナノマシンを「造っていじって理解する」ことである.本課題では,分子間の相互作用を自在に設計できるDNAナノテクノロジーを駆使し,分子モーターを造るだけでなく,構造をシステマティックに改造して制御する.本研究では,特に,構造の柔らかさが果たす役割の解明を目指す.
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研究成果の概要 |
生体分子モーターを模倣した高性能な人工分子モーターの実現を通してナノマシン内部の協働性を探求することで,「自律的ナノマシンの実験物理学」の創成を目指した。本研究では,まず,DNAオリガミ技術を応用して構造変化する脚構造を実現した.さらに,この脚構造を組み合わせたモーター構造を設計した.補助期間後も研究を続け,その実験的な実現を目指す.また,ラチェット型モーターに関しても,構造非対称性による一方向性とスケーラビリティを両立した初めての機構を提案した.詳細な数値計算の結果,生体モーターのような高い動作能を得るためには,単純なラチェット型モーターでは難しく,陽な構造変化が必要であることが示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生体分子モーターは,超高性能の自律的ナノマシンである.これを模倣した人工モーターを実現できれば,生体分子モーターの理解が急速に進むだけでなく,効率的でしなやかな人工筋肉など,ナノマシンを基にした新しい工学技術の創出が期待できる.本課題では,人工モーターの新しい動作機構を提案し,詳細な数値計算により,構造変化を伴う動作が高性能なモーターには不可欠であることを見出した.さらに,DNAオリガミ技術で構造変化を伴う脚構造を実現し,構造変化により動作する人工モーター実現に向けた要素技術に成功した.このようなモデル系を詳細に調べることで「自律的ナノマシンの実験物理学」という新しい学理の構築が期待できる.
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