研究課題/領域番号 |
19H01863
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13040:生物物理、化学物理およびソフトマターの物理関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
秋山 良 九州大学, 理学研究院, 准教授 (60363347)
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研究分担者 |
寺嶋 正秀 京都大学, 理学研究科, 教授 (00188674)
徳永 健 工学院大学, 教育推進機構(公私立大学の部局等), 教授 (30467873)
吉森 明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90260588)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 拡散係数 / タンパク質 / 流体力学効果 / 構造変化 / 溶媒和変化 / 分子シミュレーション / 統計物理学 / 分光実験 / 溶媒和 / 分子動力学シミュレーション / 統計力学理論 / 揺動散逸定理 / 溶媒効果 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質のわずかな構造変化がその拡散係数を大きく変化させる。その変化はタンパク質の二量体化と区別出来ない程大きい。この発見は『Stokes-Einstein則の分子サイズ決定法としての意味』を失わせかねない。そこで、『拡散係数の決定要因は何か?』という問いを立てた。我々の目的は『上記の拡散係数の大きな変化に対する理論的説明を与えること』にある。それを基盤に『タンパク質の機能理解に重要な反応中間体の構造変化をも捉える実験法の開拓』という創造的目標に取り組む。A.Einsteinによる当該研究の問題意識も当初は分子の水和にあり、我々独自のこの取り組みは歴史的側面を合わせ持つ。
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研究成果の概要 |
タンパク質水溶液系で無限希釈のシステムの場合、多くの場合に用いてきた『単純化されたYeh-Hummerの方法』では不十分で、『単純化前のYeh-Hummerの方法』を用いる事が重要であることがわかった。巨大分子間にある溶媒の粘度変化の効果が重要であることがわかり、かなり難航したが論文も出版することが出来た。さらに、巨大分子の各分子から拡散係数への寄与を分割する方法を提案し、計算を継続している。その手法を適用する実験結果も蓄積し、出版できた。また、単純化した系で計算を行った結果、分子サイズ、分子重量依存性などについても新たに異常性が見出されつつある。これらについても論文化を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、分子サイズ決定法として利用されてきたアインシュタインーストークスの関係であるが、これがうまく成り立つ範囲はある程度限られることが示されつつある。また、その破れの原因についての解明が進みつつある。一方で、溶質分子が液体に対して感じる摩擦を、溶質分子の各原子毎に分割する方法の開発が進み、実験で蓄積されつつあるタンパク質診断法としての拡散係数の測定が結びつきつつある。これらの結果から、発色団を持たないなど診断が難しかったタンパク質の診断方法が進むことが期待され、生理活性との関係の理解が進むことが期待できる。
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