研究課題/領域番号 |
19H01883
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分14020:核融合学関連
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
中野 治久 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 准教授 (90442524)
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研究分担者 |
笹尾 真実子 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (00144171)
安藤 晃 東北大学, 工学研究科, 教授 (90182998)
木崎 雅志 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70598945)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 負イオン源 / C12A7エレクトライド / 表面生成 / Csフリー水素負イオン源 / 中性粒子ビーム入射装置 / 中性粒子入射装置 |
研究開始時の研究の概要 |
水素負イオン源は核融合科学分野のみならず大型/医療用加速器分野でも利用されており、マイクロエレクトロニクス分野でも利用が検討されている。しかし、何れの分野でも添加するセシウム(Cs)の取り扱いやメンテナンス性が大きな問題となっている。最近、我々は、独自に着目した新材料C12A7エレクトライドが、従来のCs被覆金属に匹敵する水素負イオン(H-)生成性能を持つ可能性があることを示した。本研究では、このC12A7エレクトライドを用いて、従来の水素負イオン源に匹敵するビーム性能を持つ、Csフリーかつメンテナンスフリーの水素負イオン源の実現可能性を検証する。
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研究成果の概要 |
低仕事関数を持つC12A7エレクトライドを用いたセシウムフリー水素負イオン源の実現可能性を試行した。Compact ECRイオン源(放電電力30W)において、モリブデンと比較してC12A7エレクトライドを用いた場合、14倍程度の水素負イオンビーム電流を観測した。より大電力の1.2kWの誘導結合放電でもC12A7エレクトライドの負イオン生成効果が確認した。C12A7エレクトライドに正バイアスを印加して水素プラズマに暴露すると仕事関数が減少した。二衝突モデルによる計算結果から負イオンはC12A7表面で後方散乱(反射)過程によるものが支配的であり、エネルギースペクトルが実験結果と良い一致を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
C12A7エレクトライドは化学合成・分解・触媒や電子源としての開発研究や性能評価が行われていたが、本研究では水素負イオン生成面として着目したものである。C12A7エレクトライドは水素雰囲気中で仕事関数が増加する性質を持つ一方、水素プラズマ曝露により仕事関数が減少することも示した。 セシウムフリー水素負負イオン源は大型加速器やホウ素中性子捕捉療法等の医療用加速器にも応用できるものであり、本研究を基にした研究の発展は社会的インパクトを与えるものである。
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