研究課題/領域番号 |
19H01891
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15010:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する理論
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成子 篤 京都大学, 基礎物理学研究所, 特定助教 (80749507)
|
研究分担者 |
山内 大介 神奈川大学, 工学部, 助教 (10624645)
齊藤 遼 山口大学, 大学院創成科学研究科, 講師 (70781392)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
|
キーワード | 相対論的宇宙論 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 宇宙大規模構造 / 重力波 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、宇宙のインフレーションなど宇宙初期に作られる原始ゆらぎの生成・発展過程から、宇宙マイクロ波背景放射・宇宙大規模構造・重力波という宇宙論における 3 つの主要な観測量に至るまでを、非線形レベルで記述する次世代の宇宙論の構築・整備を目指す。特に、それぞれの観測量に現れる「ゆらぎの非線形性」を明らかにし、宇宙に関してどのような新しい情報が抜き出せるかを明らかにするだけでなく、3 つの観測量を組み合わせることによって情報を補ったり、整合性条件と呼ばれる観測量の間の関係式なども用いることにより、次世代宇宙論において究極的にどこまで宇宙の真の姿に迫れるかを明らかにする。
|
研究成果の概要 |
宇宙に存在するゆらぎを取り扱う宇宙論的摂動論は、観測データと理論予言を結びつけるために必須なツールである。一方、「ゆらぎの非線形性」は小さいながらも必ず存在するものであり、それらを正しく解析することで、線型摂動論では得られない、初期宇宙について本質的に新しくはるかに豊かな情報を得ることができる。本研究課題では、原始ゆらぎの非線形成長の研究、宇宙マイクロ波背景輻射や宇宙大規模構造における非線形効果の系統的な解析・観測手法の提案を行ったり、背景重力波の観測観測可能性に関する研究を行った。これらを通じて、ゆらぎの生成から観測量に至る過程を非線形レベルで扱う理論的枠組みを構築・整備した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、そして将来的な観測計画を前に、「ゆらぎの非線形性」の解析手法を整備し、その観測可能性や観測量への影響を明らかにすることは、次世代宇宙論の構築にとっては必須の命題である。本研究課題を通じて、ゆらぎの非線形性の解析手法を発見・提示し、さらに一歩踏み込んでそれらの観測可能性まで明らかにすることができ、ゆらぎの非線形性の重要性をはっきりと示した。今後、さらに新しい視点からの解析・観測手法の提案につながると予想される。また研究の中で、非線形・非接道的な解析手法の構築することができ、これらの手法の他分野や他の研究課題への応用的な展開も考えられ、本課題の学術的・社会的意義は大きいと考えている。
|