研究課題/領域番号 |
19H01905
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
田中 純一 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (80376699)
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研究分担者 |
江成 祐二 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (60377968)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
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キーワード | Trigger / Readout electronics / FPGA firmware / Calorimeter / ATLAS / LHC / カロリメータ / FPGA / トリガー / ATLAS実験 / LHC加速器 / 読み出し回路 / 電磁カロリメータ / FPGAファームウェア |
研究開始時の研究の概要 |
標準理論を超える物理を発見するためスイスにある世界最高エネルギーを誇る大型ハドロンコライダーを用いたATLAS実験を行っている。我々は5年前からATLAS検出器の電磁カロリメータの読み出しエレクトロニクスのアップグレード計画を進めてきた。具体的にはトリガー読み出し数を細分化し、新リアルタイム信号処理アルゴリズムを導入する。本研究では、2019年より始まるアップグレードにおいて、エレクトロニクスのハードウェアのインストール作業を成功させ、ファームウェア開発を完成し、コミッショニングを実行し安定運用に漕ぎつけ、2021年より再開される実験でカロリメータを確実に稼働させることを目指す。
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研究成果の概要 |
LHC・ATLAS実験の電磁カロリメータグループは、トリガーのための新しい読み出しシステムを開発し、2021年9月に実験装置へのインストールを完了した。本システムは約34000チャンネルを持ち、高性能なFPGAを用いて固定レイテンシ125nsでエネルギーと時間情報をトリガーに提供する。FPGAファームウェアを完成させるとともに、その設定値を更正データから決定した。実運用に向け動作確認用のモニターツールの開発も行った。さまざまな検証を行い、総チャンネルのうち99.3%が実用可能であることを示した。2023年の実験からは本システムによるトリガーで実際のデータ取得が行われる予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界最高エネルギーであるLHC加速器を用いたATLAS実験では、LHCの高性能化に向けて、検出器のアップグレード研究が必要不可欠である。本システムはその一つで、提案から10年以上を経て完成した。本研究はこの長いR&Dの総仕上げで、システムのインストールからそのコミッショニングまでを行う研究を実施した。2022年7月からは陽子・陽子衝突の実際の実験においてテスト運用することに成功した。実験データ、更正データ、シミュレーションデータを用いて動作検証等を進め、2023年度からは本システムが使われる。従来のトリガーでは取得できなかったデータの取得が可能になり、素粒子物理学の発展に向けて貢献できる。
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