研究課題/領域番号 |
19H01906
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小高 裕和 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (50610820)
|
研究分担者 |
玉川 徹 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (20333312)
川島 朋尚 東京大学, 宇宙線研究所, 特任研究員 (90750464)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
|
キーワード | 中性子星 / 強磁場 / X線偏光 / 符号化イメージング / 降着流 / 半導体検出器 / X線偏光計 / X線 / 偏光 |
研究開始時の研究の概要 |
中性子星と普通の星が連星系を組むと、星から放出されたガスが中性子星に落下し、その莫大な重力エネルギーを解放することでX線で極めて明るく輝く。中性子星は1兆ガウスという地上では到底実現できない強い磁場を持っており、そのような極限環境でガスが降着する過程は依然として物理的な理解が得られていない。本研究は、X線偏光観測とモンテカルロ放射計算という実験・理論の両面で新しい手法を開発して、この非常に複雑なシステムの物理的理解を目指す。
|
研究成果の概要 |
装置開発と天体データ解析の両面で強磁場中性子星へのガス降着の問題に取り組んだ。エネルギーが10-30 keVの硬X線帯域で偏光撮像観測の実現を目指し、「微小ピクセルCMOSイメージセンサ」と「微細加工による符号化開口マスク」を組み合わせて実用的な小型偏光撮像システムを開発した。また、明るい中性子星連星である「Cen X-3」の広帯域X線データの解析を行い、時間変動の原因が星風に由来することを特定し、降着流の観測方向によるスペクトルの変化を高い精度で取得することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した撮像偏光計は、半導体検出器を光電吸収型偏光計として用いるという全く新しいものである。微細加工符号化開口マスクと組み合わせることで、非常に小さな撮像偏光計システムを構築することができ、将来の宇宙科学ミッションへの適用も期待できる。Cen X-3のデータ解析はNuSTAR衛星の高い統計量データを活かして、これまで曖昧だった天体の時間変動の議論を決着させ、降着流の物理モデルを構築するための重要な基礎になる。
|