研究課題/領域番号 |
19H01912
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
中村 克朗 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (60714425)
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研究分担者 |
坪山 透 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 功労職員 (80188622)
岸下 徹一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (80789165)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 半導体検出器 / シリコン / ストリップ / シリコン検出器 / DSSD / ASIC / SSD |
研究開始時の研究の概要 |
素粒子・宇宙物理における物質優勢宇宙という謎の解明のため、未知のCP対称性の破れの探索は重要な研究テーマである。その中でも新物理探索に大きな感度を持つB中間子の光子放出型FCNC崩壊でのCP非対称度測定は強力な検証手法となる。しかしながらBelle II実験でこの精密測定を実現するには高位置分解能を有するシリコンストリップ検出器への改良が要求される。本研究ではこの改良に向けて、挟ピッチのシリコンストリップ検出器を開発する。挟ピッチSSDと低ノイズ・多チャンネル・低消費電力の読み出しASICを開発することにより、製作するシリコンストリップ検出器で十分な位置分解能と検出効率を有することを実証する。
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研究成果の概要 |
これまで素粒子実験で開発されたことがない、薄型狭ピッチの両面シリコンストリップセンサーの開発、およびその信号読み出しのための低ノイズ読み出しASICの開発を行った。要求する性能を満たすセンサーが製作可能であることを実証した。ASICのノイズは要求仕様よりも若干大きいものの、さらなるアンプ部時定数の最適化とセンサーストリップ長の調整により改善可能であることを発見し、次期製作で要求性能を満たすASICを作るための指針を得ることができた。これらのセンサーとASICを用いて性能実証のための試作検出器の製作も完了した。さらに検出器信号によるトリガーの性能評価を行い、十分な性能が得られることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により開発した高位置分解能・低物質量のDSSDセンサーおよび低ノイズの読み出しASICは、応用の主眼に置いているBelle II実験のみならず、精密測定を目的とした素粒子実験やハドロン実験において重要な技術となる。特にシリコンストリップセンサーの読み出しASICは近年開発が少ないため、今回開発したASICが広い他実験でも使用されることが期待できる。また、高位置分解能を利用することで、荷電粒子の運動量スペクトロスコピーにおいても、よりコンパクトな電磁石をもちいたより小さい磁場中での測定が実現可能となる。これは近年巨大化している素粒子実験・ハドロン実験の小型化に貢献できると期待される。
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