研究課題/領域番号 |
19H01916
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
小栗 秀悟 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (20751176)
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研究分担者 |
長崎 岳人 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究員 (00752346)
木内 健司 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00791071)
美馬 覚 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 研究員 (50721578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 10,400千円 (直接経費: 8,000千円、間接経費: 2,400千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | CMB / 宇宙物理 / 冷却システム開発 / MKID |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙初期を記述するインフレーション宇宙論の解明を目指し、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)観測の分野では多くの実験がしのぎを削っている。本研究は、CMB観測装置の高感度化に重要な要素である「検出器の冷却」と「高速スキャンによる信号変調」を高い次元で両立させ、次世代CMB実験を牽引する技術を確立する。具体的には、冷凍機配管の取り回しに関する技術的課題を克服し、高速回転する系での希釈冷凍機の運用を可能にする。従来のCMB観測装置に希釈冷凍機が導入できれば、劇的な感度向上が期待できる。
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研究成果の概要 |
インフレーション宇宙論の解明を目指し、次世代CMB偏光観測実験のための技術開発を行った。CMB偏光観測の高感度化に必要なのは、検出器自体の高感度化と、高速な信号変調技術の両立である。この両立を目指して、希釈冷凍機を回転台の上で運用するための技術開発を行った。実現のために課題になるのは、台上の冷却部と台の下にあるガスハンドリングシステムの間の配管(回転継手)である。試作機を開発してテストした結果、回転部のシール能力が、希釈冷凍機の要求を満たせないことが明らかになった。一方で、ある程度のリークがあっても成立する継手のデザインが固まり、実現への足がかりを得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の目指す、「インフレーション宇宙論の解明」は、我々の宇宙はどうやって始まったのか、という根源的な問いである。すでにビッグバンは一定の市民権を得ているが、それより前の宇宙は未知であり、ここに光をあてることで人類の知的好奇心を満たせると信じている。 今回開発を行った、回転系の上で100mKを実現する技術は、世界に類を見ない。希釈冷凍機は、物性や量子コンピューターなど様々な分野で活用されており、本技術も宇宙素粒子分野外への波及効果が期待できる。
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