研究課題/領域番号 |
19H01924
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川村 静児 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (40301725)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 原始重力波 / DECIGO / 量子ロッキング / 標準量子限界 / 光バネ |
研究開始時の研究の概要 |
スペース重力波アンテナDECIGOは宇宙誕生直後のインフレーションの期間に生成された原始重力波の検出が主目的の日本の将来計画である。予測される原始重力波の強度やスペクトルはインフレーションのモデルや再加熱温度などに依存するため、極初期宇宙に関するさまざまな情報を最大限に引き出すためには、DECIGOの到達可能感度をできるだけ高める必要がある。そこで我々は、光バネを利用した広帯域量子ロッキングで、輻射圧雑音を広帯域で除去し、不確定性原理で規定される標準量子限界を打破する手法を新たに考案した。本研究においては、本手法の原理実証実験を行い、その有効性を確認し、問題点を洗い出すことである。
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研究成果の概要 |
宇宙重力波望遠鏡DECIGOが原始重力波の検出をより確実に行えるように、光バネ量子ロッキングの開発を行った。光バネ量子ロッキングは、主光共振器の鏡を補助の光共振器で共有し、共振点からずれた位置に制御することにより量子雑音を広帯域で低減する手法である。我々は、理論面では、平方完成の手法を用いることにより、原始重力波に対する信号雑音比が大きく改善できることをシミュレーションで示した。また、実験面においては2台の光共振器に、輻射圧雑音とショットノイズの模擬信号を印加し、平方完成の手法により作り出した合成信号の信号雑音比が、全ての周波数において、2つの信号の良い方と同じになっていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が成功し、光バネ量子ロッキングの技術が完成し、宇宙重力波望遠鏡DECIGOへの実装が可能になれば、原始重力波の検出の可能性がより確実なものとなる。原始重力波は宇宙誕生直後に起きたと考えられているインフレーションの時代に時空の量子揺らぎから発生したと考えられているため、もし、原始重力波が検出されれば、インフレーションや宇宙誕生に関する謎が解明される可能性がある。また、DECIGOにより、ダークエネルギー、原始ブラックホール、一般相対性理論の検証など様々な物理の新しい知見が得られることが期待される。また、本研究は、標準量子限界を破るという意味で、量子論の基礎の解明にもつながる。
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