研究課題/領域番号 |
19H01927
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
嶋 達志 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10222035)
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研究分担者 |
三島 賢二 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別准教授 (20392136)
吉岡 瑞樹 九州大学, 先端素粒子物理研究センター, 准教授 (20401317)
北口 雅暁 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (90397571)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 重力 / 逆二乗則 / 余剰次元 / ナノ粒子 / 中性子散乱 / 未知相互作用 / 中性子小角散乱 / 重力の逆二乗則 / J-PARC / 中性子 |
研究開始時の研究の概要 |
重力相互作用は、古典論の枠内では一般相対性理論によって記述されるが、重力場の量子論は研究の途上である。現時点では超弦理論やループ量子重力理論などが理論の候補と考えられているが、いずれも微小なスケールでの時空構造に修正を加える点が共通である。修正された時空構造のもとでは、微小距離での重力の法則が逆二乗則からずれる可能性がある。本研究は、ナノ粒子標的と中性子との干渉性散乱を利用して、物体間距離が100nm以下の領域で従来の実験的制限を飛躍的に超える感度での未知相互作用の探索を行い、重力の逆二乗則の検証を実現する。これによって重力を含む統一理論に対する実験的情報を取得する。
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研究成果の概要 |
中性子小角散乱は分子間力などの電磁気的な擾乱を受けないため、1μm以下の到達距離を持つ重力に類似する未知の相互作用の探索に有用である。本研究では天然の物質の中で干渉性核散乱断面積が最も小さいバナジウム製のナノ粒子標的の製造に成功し、それを標的とする測定を大強度陽子加速器施設(J-PARC)にて実施した。その結果、到達距離~10nmの領域で従来の他の実験での最高感度に匹敵する感度が得られた。さらに逆符号の散乱長を持つバナジウムとニッケルを原料とするナノ粒子の製造に成功した。この標的を用いた測定を2022年6月に予定しており、さらに10倍以上の感度向上が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重力は距離の二乗に反比例する、すなわち逆二乗則に従うと考えられているが、「大きな余剰次元模型」などの理論は、極めて短い距離で逆二乗則が破れる可能性を示唆している。重力の逆二乗則は主に原子・分子で構成された物体間の力を測ることで検証されてきたが、1μm以下の距離では分子間力の影響で実験感度が急激に失われるという問題があった。我々は分子間力を受けない中性子と物体との散乱を用いることでこれを解決した。特に散乱標的として、別の擾乱の原因である原子核散乱が極めて弱いバナジウム、およびバナジウム-ニッケル合金を材料とするナノ粒子を開発し、従来よりも10倍以上高い感度での逆二乗則の検証への道を拓いた。
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