研究課題/領域番号 |
19H01934
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
細川 隆史 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30413967)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 星団形成 / 初代星 / 種族III星 / 超巨大ブラックホール / 電離領域 / 輻射流体力学 / 数値シミュレーション / 星形成 / 大質量星 / 銀河形成 / 宇宙初代星 / 金属欠乏星 / 宇宙初期天体 |
研究開始時の研究の概要 |
初期宇宙で実現する、銀河系とは異なる環境における星団形成過程を主に大規模数値シミュレーションを用いた理論研究によって明らかにする。具体的には、重元素の全くない初代星からなる星団から、球状星団の形成までを対象とする。特に銀河スケールの進化、及び遠方宇宙の観測に重要な、大質量星を多く含む大星団の形成過程についてその環境依存性を明らかにする。金属量に応じてどういう場合にどんな星団がどういう効率でどんな風に生まれるかを示す。また、それが初期宇宙のいつ、どこに相当してどういう風に将来観測されるか、または既存の観測と照らして整合するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
主に初期宇宙を舞台とする星団形成を対象として、多様な理論研究を行った。初代星形成に関しては、円盤分裂と放射feedback下で連星系を含む小星団が誕生する様子を確認した。また、銀河形成理論で考えられているcold accretionが宇宙で最初に発現する場合には、超大質量星形成が起こる可能性を明らかにした。このとき実現される急速ガス降着下では大半径の原始星が現れることを初めて3次元計算により示した。低金属量での星団形成では、金属量が下がるほど初期質量関数がtop-heavyになるが同時に星形成効率も下がるため、最近のJWST観測を説明するには程々に低い金属量環境が最適であることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビッグバン後に初めて誕生する恒星内部では、酸素や炭素などの重元素が初めて合成されるので、我々を含む生命誕生にいたる第一歩である。したがって、未踏の初期宇宙で何が起きたのかを研究することは我々の起源を探ることに直結する。ビッグバン時の元素組成をそのまま残す初代星、あるいは極少量の重元素だけを含むような星形成はこれまで観測の手の届かない、超遠方の宇宙が舞台と考えられもっぱら理論的研究の対象だった。しかし、最近のJWSTの活躍によって、かつてないほどの遠方宇宙が観測の対象となり、理論研究と観測研究がついに出会うときが近づいている。このような背景のもと、本研究成果もこの進展に寄与するものである。
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