研究課題/領域番号 |
19H01935
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧川 晶 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10750367)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | ダスト / 実験 / 珪酸塩 / 赤外線天文学 / 宇宙塵 / 観測 / 凝縮実験 / 星周ダスト / 星間ダスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,実験・分析・観測的手法を組み合わせることで,太陽系原材料物質としての星周ダストの形成・変化・変質過程に迫る.非晶質ダストの凝縮実験をおこない,非晶質粒子の組成と赤外スペクトルの関係性を用いて,星周非晶質ダストの再同定を行う.難揮発性ダストであるコランダムの化学反応,変質過程を実験で調べ, そのような変化や変質によってできたリムをもつプレソーラー粒子の分析をおこなう.観測との比較から星周ダストとしてのプレソーラー粒子の特殊性・普遍性を明らかにする.
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研究成果の概要 |
星間・星周ダストの形成を理解するために,任意の組成のガスの凝縮を模擬し,凝縮温度が室温と液体窒素温度に制御し,電子銃二つと抵抗加熱式ガス源からの同時凝縮が可能な真空凝縮装置を製作し,酸化物・珪酸塩凝縮実験をおこない,Mg-Si-Fe-O系,さらに珪酸塩とH2O氷の同時凝縮に成功した.また,誘導熱プラズマ装置で組成を系統的に変えた微粒子凝縮実験を行った.実験結果から,シリケイトに富む・乏しい星周ダスト組成の制約をおこなった.隕石試料及びはやぶさ2が持ち帰ったリュウグウ試料へのイオン照射実験から宇宙風化過程を制約した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非晶質珪酸塩は星周・星間ダストとして豊富に,また至る所に存在し,これまでに多くの研究があるものの,観測されるダストの特徴を物質科学的に裏付けることが難しく,依然それらの組成や構造はわかっていない.本課題で低温での実験が可能でかつ系統的に組成を変化させられる実験装置を開発し,低温から高温まで幅広い宇宙環境でのダスト形成が実験室で再現できるようになった.これにより,観測から示唆されるダスト放射・吸収の特徴を再現するために必要な非晶質星周・星間ダストの形成条件と組成が推定できるようになると期待され,天文学と鉱物学の境界分野である宇宙鉱物学の発展にとって大きな意義がある.
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