研究課題/領域番号 |
19H01942
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
田中 賢幸 国立天文台, ハワイ観測所, 准教授 (50589207)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 観測的宇宙論 / 近傍銀河 / 観測天文学 / 宇宙論 |
研究開始時の研究の概要 |
現在広く用いられている標準的な宇宙論モデルは大局的な宇宙の物質分布を極めてよく再現するが、銀河のような小さなスケールではいくつかの問題が指摘されている。その一つがMissing Satellite問題というもので、天の川銀河の衛星銀河の数が予測される数よりもずっと少ないというものである。現在までこの問題は天の川銀河とアンドロメダ銀河でのみ観測的に検証されているが、本研究ではそれら以外の銀河を多く観測することで、この問題を統計的に検証することを目標としている。
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研究成果の概要 |
本研究は、標準宇宙モデルのほつれの一つと指摘されるmissing satellite問題(モデルが予測する衛星銀河の数と、観測される数が合わない問題)を統計的に検証するものである。すばる望遠鏡Hyper Suprime-Camを用いて観測した9つの近傍銀河の周囲にある衛星銀河を検出し、天の川銀河の衛星銀河の数と比べると、両者は整合的であることがわかった。しかしながら、その空間分布は大きく異なり、天の川銀河の衛星銀河が中心に偏った特異な分布をしていることがわかった。この特異分布の起源はわからないが、天の川銀河は典型的な銀河ではないことを示唆しており、さらなる研究の対象となるべき発見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
標準宇宙モデルのほつれの一つと指摘されるmissing satellite問題(モデルが予測する衛星銀河の数と、観測される数が合わない問題)をすばる望遠鏡を用いて統計的に検証したところ、天の川銀河の周囲を回る衛星銀河の数は、他の銀河の衛星銀河の数と整合的であることがわかった。しかしながら、その空間分布は大きく異なり、天の川銀河の衛星銀河が中心に偏った特異な分布をしていることがわかった。これは天の川銀河は宇宙の中で平均的な銀河ではないことを示唆していて、この特異分布の起源を理解するため、天の川銀河の形成史のさらなる研究が必要となる。
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