研究課題
基盤研究(B)
冷却エシェル分光器GIGMICSの内部光学系と望遠鏡との結合に、高透過率の中間赤外線中空ファイバーを素材とする、前例のない冷却ファイバーを開発・導入し、分光器の感度の向上と望遠鏡との光軸調整の平易化・安定化を実現する。これにより、ハワイ・ハレアカラサイトのPLANETS1.8m新光学赤外線望遠鏡へのGIGMICSの搭載への道を拓き、中間赤外線領域に対するガス惑星・衛星大気分子の振動回転スペクトル線のスペクトルサーベイおよびモニタリング観測を行う。これにより、系内惑星・衛星大気のダイナミクスの解明、および、同位体組成や、分子組成を明らかにし、惑星・衛星大気の化学反応プロセスの解明を目指す。
液体窒素温度冷却下で動作する中間赤外線高分散分光器(GIGMICS)と、開口径1.85mφ軸外し放物面を主鏡とする光赤外線望遠鏡PLANETSとの高効率かつ高安定な光学的結合を実現するために、新型の中空ファイバーを用いた赤外線冷却中空ファイバーの開発との特性評価を行った。この目的のために、赤外線中空ファイバーの特性を定量的に評価するために、新型の准共通光路波面分割型位相シフト干渉計を導入し、その性能評価を行った。また、世界で初めての1次元中空ファイバーバンドルの制作と性能評価を、マイクロレンズアレイとコヒーレントなレーザー光、および、各種のインコヒーレントな光源を用いて行った。
赤外線中空ファイバーは生体内での赤外線計測や高出力レーザー光照射等の医療目的で開発された比較的新しいデバイスである。本研究で取り組んだ詳細な性能評価の結果と、それに必要な周辺の機器開発によって、このユニークな中空ファイバーが従来の中間赤外線多結晶ファイバーに比べて高い透過効率とFlexibilityを有し、赤外線天文観測装置の結合や惑星探査機搭載の赤外線計測装置内部の赤外線光学系への高い応用可能性を初めて示した。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (74件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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