研究課題/領域番号 |
19H01965
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
長井 健容 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90452044)
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研究分担者 |
長谷川 大介 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (10624728)
井上 龍一郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋観測研究センター), 主任研究員 (80624022)
山崎 秀勝 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (80260537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 黒潮 / サブメソスケール / 高解像度観測 / 自由落下曳航 / 乱流 / 栄養塩 / トカラ海峡 / 海山 / 対称不安定 / 乱流混合 / 近慣性内部波 / 日向灘 / 内部波最小周波数 / 渦、フロント / 自由落下曳航式観測 / 栄養塩フラックス / 二台準同時 / 乱流観測 / 生物化学センサー / 断面観測 / 高解像度 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋では様々なスケールの流動が海水の攪拌や混合に影響を及ぼす事が明らかとなった。また、近年の研究によって、サブメソスケールの流動が、マイクロスケールの乱流現象と密接に関わっている事が明らかとなりつつある。しかし、このマルチスケールで発生する混合現象が及ぼす影響は、フロント構造と乱流を数値モデルや観測で同時に解像することが困難であるため、未だ不明瞭である。そこで本研究では、サブメソスケールのフロント流動・乱流微細構造や栄養塩などの生物化学的要素を同時に観測する手法を確立し、サブメソスケール現象によって発生した乱流混合の影響を明らかとすることを目的とした、現場観測を主体とした研究を実施する。
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研究成果の概要 |
自由落下曳航式乱流プロファイラー, Underway-VMP(UVMP)と紫外線を用いて植物プランクトンの増殖に必要な硝酸塩濃度の測定を現場でできる自由落下曳航式生物化学プロファイラーを開発し、観測手法を確立した。これらを用いた観測は、通常の100-1000倍の大きさの乱流が、100kmわたって発生していることを示し、この結果は、2021年にComm Earth & Environmentに出版された。これらを、2020年9月にトカラ海峡において再び用い、九州南方を流れる黒潮が、非常に大きな乱流と、栄養塩供給スポットであるという結果を得、現在観測結果を統合して投稿する論文を執筆中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立された2台同時自由落下曳航観測手法は、海洋の乱流混合と硝酸塩濃度などの生物化学的要素を、サブメソスケール(0.1-10km)で解像することを可能とした。これによって、サブメソスケールの不安定現象が実際に乱流や栄養塩輸送をどの程度引き起こし得るのかを観測から直接的に明らかにすることができる。これは極めて新規性の高いデータの取得を可能とする。これらを用いたトカラ海峡を流れる黒潮での現場観測結果は、九州南方が黒潮やその下流である本州南岸を肥沃化する重要な海域であることを示す。これは何故貧栄養な黒潮に高い魚類生産が維持されているのかを解明する大きな手がかりを与え社会的な意義が極めて大きい。
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