研究課題/領域番号 |
19H01968
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 裕 京都大学, 理学研究科, 教授 (40346854)
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研究分担者 |
馬場 康之 京都大学, 防災研究所, 准教授 (30283675)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
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キーワード | 波と流れの相互作用 / 海洋表層混合 / 波解像数値実験 / 乱流・波浪観測 / 波・流れ相互作用 / 波解像数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋表層に見られる波は、流れと相互に作用しあうことで、海面下に強い混合を引き起こす。この混合は海面の水温を下げることで海洋のみならず大気や気候にも影響する。しかし、観測や実験が不十分なため、混合を引き起こす仕組みや混合の特性が不明である。
そこで本申請課題では、新たに開発した波を解像する最新の数値モデルを用いて、波と流れを再現し、両者が相互作用することで発生する混合の仕組みを明らかにする。現場観測も実施し、数値実験の検証や補足を行う。このようにして、波・流れ相互作用に伴う海洋表層の混合の力学と特性を体系的に明らかにし、その影響を全球で評価する。
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研究成果の概要 |
海面の波による乱流混合は、気候モデルにおける大きな誤差要因の一つと考えられている。本研究では、この波による乱流混合の機構と特性を明らかにするために、独自に開発した数値モデルを用いて数値実験を行なった。実験の結果、無風の場合でも、波は砕波せずとも混合を引き起こすことが明らかになった。混合を担う渦の生成機構を、流れ場の渦度の伸縮と傾斜をもとに評価した結果、無風で砕波しない波による混合も、風が吹く場合と同様に、指向性のある渦度伸縮・傾斜により引き起こされることを明らかにした。また、波の波長や振幅に対する依存性を定量的に評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海面の波による乱流混合の影響を正しく表現することは、現状の気候モデルの精度向上に大きく貢献すると期待されている。これまで二つの説で別々に説明されていた波による混合の機構を、波による指向性のある渦の伸縮と傾斜として統一したことにより、今後行われるべき混合の定式化に道筋をつける結果となった。また、波の波長や振幅を変えた実験の結果は、定式化を構築する際の基盤となる資料として有用である。今後の波による混合の定式化と、それを組み込んだ気候モデルの予測・再現精度向上が期待される。
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