研究課題/領域番号 |
19H01974
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
西澤 誠也 国立研究開発法人理化学研究所, 計算科学研究センター, 研究員 (40447892)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
|
キーワード | 大気乱流 / 対流 / 積雲対流 / スケール間相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
大気乱流は、それによる熱や水蒸気等の混合を通じて、より大きなスケールの大気現象に影響を与えることが知られている。しかしながら、その時空間スケールの小ささから、観測や実験が容易ではなく、大気乱流が関わるスケール間相互作用については、まだまだ未解明な部分が多く残されている。本研究では、積雲対流と大気乱流を同時に表現する大規模数値シミュレーションにより、地表面付近や雲内の乱流と積雲対流の間の相互影響について、そのメカニズムを解明するとともに、その量的評価を行う。これにより、これまで考えることが難しかった大気乱流を含む大気現象のスケール間相互作用という新しい研究領域の開拓を行う。
|
研究実績の概要 |
積雲対流は、強い降水をもたらすなど、社会的にも重要な大気現象であり、その理解およびシミュレーションにおける高い再現性が求められている。O(1 km) 以下のスケールをもつ大気乱流は、それによる熱や水蒸気の混合を通じて、O(10 km) スケールである積雲対流に大きな影響を与えることが知られている。しかしながら、その時空間スケールの小ささから、大気乱流と積雲対流とのスケール間相互作用については理解が進んでいない。本研究では、そのスケール間相互作用を理解することを目的としている。 昨年度までは、孤立積雲を対象とした超水滴法を用いたラージエディーシミュレーションを行い、雲壁における乱流混合による雲内の微物理特性の変動を調べてきた。それらの統計的性質を明らかにするためには、複数の積雲が生成消滅する場のシミュレーションが必要である。そのためにはより大規模な数値実験が必要となり、超水滴法の計算の高速化が課題である。そこで、本年度は、15 km 四方のドメインを数 m 解像度で数時間積分することを目標として超水滴法およびモデル全体の計算性能最適化を行った。その結果、実行時間が従来計算手法であるバルク法と同程度になるまで高速化することができ、上記規模の実験が可能となった。 また、積雲対流の自己組織化に対する境界層乱流の影響について、広大な計算ドメインにおけるラージエディーシミュレーション実験により調べ、境界層内の運動が対流の自己組織化に大きく寄与していることが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超水滴法を用いた実験について、当初の見込みよりも高解像度の実験が可能となる見込みが得られたことで、計画を変更し、本年度は実験計算を保留し、その高速化を優先して進めた。10 m を切る解像度での超水滴法による実験が可能となったことにより、より精度の高い乱流表現が可能となった。これにより、令和4年度に実施する予定の実験では、積雲対流と乱流の関係についてより詳細な知見が得られることが期待される。
|
今後の研究の推進方策 |
令和4年度は本研究課題最終年度であり、超水滴法を用いた高解像度実験を行うとともに、これまで行ってきた研究の結果を総合的に考察し、積雲対流と乱流の関係についての理解を進める。
|