研究課題/領域番号 |
19H02008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山本 由弦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (10435753)
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研究分担者 |
古市 幹人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー (50415981)
西浦 泰介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー代理 (60509719)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | プレート境界 / スメクタイト / イライト / DEM / バヤリー則 / 摩擦 / 剪断強度 / 粘土鉱物 / 断層 / 沈み込み帯 / 数値計算 / デコルマ / 粒子法 / プレート沈み込み / 続成過程 / DEMシミュレーション / プレート境界断層 / OST / IODP / ちきゅう / 付加体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①沈み込み帯各深度のプレート境界断層の変形と動的な剪断強度の変化を定量化し、②断層周辺の局所的な物性変化が、従来の沈み込み帯モデルで再現できないOSTや底づけ作用など、付加体主要構造の形成に不可欠な役割を担っているのか検証する。具体的には、断層岩の変形と鉱物、物性変化を天然断層の地質学検討から抽出し、三軸試験によって剪断強度を定量化する。得られたデータを我々が開発した実スケール数値砂箱実験(>25億粒子)に導入して、付加体形成実験を行う。
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研究成果の概要 |
プレート境界断層の動的な鉱物・物性変化は、断層の剪断強度を大きく変化させ、沈み込み帯の形状や応力分布に影響を与えると期待される。本研究では、①深度2-3 kmのプレート境界断層の剪断強度の変化を定量化し、②これらが付加体主要構造の形成に不可欠な役割を担っているのか数値シミュレーションによって検証した。 その結果、①は、従来考えられてきた「断層が弱い」モデルとは逆に、約240%剪断強度増加が確認された。②は、①の結果を数値実験から再現した上で従来の「砂箱実験」ではなく、大規模な「岩石沈み込み実験」を可能にした。さらに、上記剪断強度変化が付加プリズムの幾何学に大きな影響を与えることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の地震学では、岩石の種類によらず断層の剪断強度が一定であるとするバヤリー則がよく用いられてきた、今回示された、断層の方が240%もの剪断強度を獲得するという結果は、特に泥質岩で構成される沈み込み帯の破壊モデルを考える上で極めて重要である。 数値実験では、従来の「砂箱実験」ではなく、「岩石沈み込み実験」を可能にした。これによって、従来再現できなかった固結した岩石で構成される天然の沈み込み帯の変形挙動と、室内岩石力学試験の結果を初めて直接比較できるようになった。
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