研究課題/領域番号 |
19H02015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分17050:地球生命科学関連
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研究機関 | 金沢大学 (2022) 立命館大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
荒木 優希 金沢大学, 数物科学系, 助教 (50734480)
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研究分担者 |
古川 善博 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00544107)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 水和構造 / 前生物的RNA / 周波数変調原子間力顕微鏡 / 重合反応 / 固液界面 / 周波数原子間力顕微鏡 / 水和 / 粘土 / 生命起源 / 吸着 / 触媒 / RNA / 周波数変調型原子間力顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
RNAは、遺伝情報の蓄積と生体反応の触媒の両方を担う分子として、生命の起源に最も重要な生体高分子と考えられている。初期地球におけるRNA(前生物的RNA)の形成は、粘土鉱物や金属イオンを触媒として起こったと考えられているが、その形成過程や環境について統一的な見解が得られていない。本研究では、高分解能の原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いてRNA形成(ヌクレオチドの重合)過程における水の挙動を分子スケールで観察する。ヌクレオチド表面が金属イオンによって局所的に脱水すること、水の存在によって粘土表面にヌクレオチドが秩序的に吸着することを明らかにし、生命起源における水の重要なはたらきを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、脱水反応であるRNAの形成が原始海洋中で起こりうるか解明すべく、触媒と考えられている鉱物表面の水、およびそれに対する溶存イオンの効果を原子スケール観察によって明らかにすることを目的とする。触媒鉱物表面でのヌクレオチドの吸着挙動とその際の鉱物表面の水和構造を周波数変調原子間力顕微鏡で高分解その場観察した結果、溶存するマグネシウムイオンがヌクレオチドの吸着を顕著に増大させ、そのとき鉱物表面の水の構造が変化していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マグネシウムは生体内の酵素活性、結石の析出防止剤、整腸剤など水溶液中で起こる現象に非常によく使われている。マグネシウムが用いられる必然性は明らかにされていないが、本研究で着目した「物質表面の水への影響」がこれらの機構に関わっている可能性が高い。身近な物質であるため、近年、マグネシウムは石油掘削の潤滑剤や生分解性材料等、新たな活路を見出されており、マグネシウムが固体表面の水に及ぼす影響を継続して研究することで、これらの応用技術への波及効果が期待できる。
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