研究課題/領域番号 |
19H02025
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
松本 龍介 京都先端科学大学, 工学部, 准教授 (80363414)
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研究分担者 |
武富 紳也 佐賀大学, 理工学部, 准教授 (20608096)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | 水素脆化 / 格子欠陥 / 原子シミュレーション / 力学特性 / 延性 / 鉄 / 材料強度 / 計算力学 / 変形機構 |
研究開始時の研究の概要 |
低合金鋼において,水素存在時には破壊の前駆段階で局所的に多量の空孔が生成していること,それらが一度生成すると水素を放出させても延性が回復しないことが示されている.本課題では,空孔の分布状態と脆化率の関係を得ることで,水素脆化のクライテリオンを空孔分布の点から明らかにする.水素―空孔―転位(塑性ひずみ)間では強い相互作用を生じるため,空孔分布を知るためには三者の時間発展を同時に解く必要がある.そこで,統計熱力学と電子・原子レベル解析を駆使して水素存在時の転位と空孔の運動挙動をモデル化し,それらに基づいた非定常水素/空孔拡散―弾塑性連成解析モデルを構築する.
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研究成果の概要 |
低合金鋼において,水素存在時には破壊の前駆段階で局所的に多量の空孔が生成していること,それらが脆化と強く関連していることが示されてきた.本研究では,統計熱力学と電子・原子レベルのシミュレーションおよびメゾ・マクロスケールの連続体力学的手法によって転位/空孔の運動挙動をモデル化し,スケールを跨いだトランススケール解析を実施した.特に,空孔の凝集・解離挙動やそれが発生する温度・空孔濃度条件を明らかにした.また,水素や空孔が転位運動に与える影響を調べた上で,マクロな脆化挙動との関係を広く解明した.さらに,空孔クラスタ-プリズマティック転位間遷移による粒界部やき裂先端への空孔輸送機構を発見した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素によって金属材料の延性が低下する水素脆化の研究は,その重要性から継続に行われてきたが未解明な部分が多い.このことが,水素を積極的に利用していくための一つの障壁になっている.本研究では,種々のシミュレーション手法に加えて,実験的なアプローチを援用することで,ミクロな欠陥への水素の作用と,マクロな脆化との関係を幅広く解明した.本研究の成果は,水素脆化による材料強度予測の高精度化や耐水素鋼の開発に向けて重要なものである.また,従来は全く知られていなかった格子欠陥の輸送現象を予測し,次なる研究の方向性まで示した.
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