研究課題/領域番号 |
19H02042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分18020:加工学および生産工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高谷 裕浩 大阪大学, 工学研究科, 教授 (70243178)
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研究分担者 |
水谷 康弘 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (40374152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | ガラス加工表面 / ナノ・サーフェスインテグリティ / 仮想量子ドット / 量子もつれ光子プローブ / ドレスト光子フォノン / 予測型マイクロクラック計測 / フォトンメトロロジー / 加工計測 / ガラス加工表面マイクロクラック / 残留応力 / 後方散乱ラマン分光 / 量子もつれ光子 |
研究開始時の研究の概要 |
ガラスは高強度材料であるが,製造工程において加工表面層に無数のマイクロクラックが発生し,それらが起点となって突然の破壊を引き起こすため,大きな問題となっている.加工条件を制御してマイクロクラックの生成を抑制し,その時間進展による破壊挙動を予測するためには,加工表面層におけるマイクロクラックの幾何学的形態と,そのナノ領域周辺における原子スケールの微視的構造や局所応力場の計測・解析が不可欠となる.そこで本研究は,新たな量子もつれ光子プローブの基本原理を確立し,ガラス加工表面層をナノ分解能で計測可能とするナノ・サーフェスインテグリティ計測・解析手法の実現をめざす.
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研究成果の概要 |
本研究は,ガラス加工表面層におけるナノ領域の局所的な短距離秩序に支配される微視的構造/応力場の物質情報をもつドレスト光子フォノンと空間情報をもつ量子もつれ光子との相互作用を機序とする,新たなナノ・サーフェスインテグリティ計測の基本原理の確立を目的とする.そのため,ラマンスペクトル解析によるガラス表面層の分子構造評価を可能とする,独自の共焦点型光子検出ラマン分光測定システムを構築した.さらに,マイクロクラックによる光子レベルのレーザ後方散乱光を検出し,分子構造変化の3次元分布をより高分解能に計測する手法として,偏光量子もつれ光子対を利用した非走査型位相シフト干渉計測の基本原理を確立した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非晶質構造をもつガラスは,結晶構造に基づいたクラック挙動モデルが利用できないため,光の量子効果による分子構造変化の測定原理の確立は,当該分野において先駆的な試みであり,本研究の学術的意義は極めて高い.本研究成果によってマイクロクラック近傍の局所応力評価が可能となれば,破壊挙動の高い予測精度によって,機械加工によって製造される高機能ガラス素子などの安全性・耐久性・信頼性が格段に向上し,他の硬脆材料評価法への大きな波及効果も期待できる.さらに,非破壊・高感度な本測定法と加工の融合によって,従来加工法の限界のブレークスルーやレーザーを用いたフォノン制御による新たなナノ微細加工原理への展開が拡がる.
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