研究課題/領域番号 |
19H02058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19010:流体工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原田 周作 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80315168)
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研究分担者 |
田中 洋介 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 准教授 (80509521)
山本 恭史 関西大学, システム理工学部, 教授 (90330175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
12,350千円 (直接経費: 9,500千円、間接経費: 2,850千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 微粒子分散系 / 濃度界面 / 混合 / 数値解析 / 界面不安定 |
研究開始時の研究の概要 |
液体中に分散した微粒子と純粋な液体の間の見かけ上の界面 (濃度界面) は,微粒子の集団性が顕著な場合には「界面張力のない不混和界面」と「拡散のない混和界面」の2 つの動力学的性質を併せ持つ.本研究では,このような微粒子分散系の濃度界面の挙動を調べることにより,自然界に存在する一般的な不混和界面および混和界面の動力学の結びつきを明らかにするとともに,両者の力学的性質の推移を明らかにする.また,異なる集団性を有する2 つの微粒子分散系が形成する濃度界面での粒子の混合機構を明らかにすることにより,「物質が混ざる」という現象をメゾスケールの観点から理解することを目指す.
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研究成果の概要 |
液体中に分散した固体微粒子が形成する見かけ上の界面(濃度界面)の動力学的性質,および界面近傍における微粒子の混合現象の解明を目的とした研究を行った.濃度界面の3次元形状測定システムを開発し,重力沈降する微粒子分散系の濃度界面挙動を調べた.その結果,濃度界面の混和性・不混和性が変化することにより種々のモードの沈降形態が出現することが確認された. さらに濃度界面近傍の微粒子の混合現象に関する実験および数値解析を行った.その結果,上下粒子の集団性および沈降速度比の違いにより,粒子スケールの混合(ミクロ混合)と密度不安定に起因した巨視的な混合(マクロ混合)が条件に応じて出現することがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質の混合現象は,これまで混合エントロピーの増大といった熱力学的な見地から説明されてきた.本研究によって,このような従来の枠組みとは異なる流体力学的なアプローチによって混合現象を説明することが可能となった.すなわち,液中粒子の集団性や濃度界面の遮蔽性,界面不安定の特性を含む,粒子混合現象に関する理論体系を構築できる可能性を示した.本研究で得られた知見は,比重選別,土砂輸送,固液分離のような各種工学プロセスの理解の一助となるだけでなく,生物対流,縞状堆積層の形成機構,溶岩の大規模な対流形成機構など地球規模の現象を含む広範な学術分野への展開が期待でき,学術的,社会的意義は極めて大きい.
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