研究課題/領域番号 |
19H02074
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
戸谷 剛 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00301937)
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研究分担者 |
小林 一道 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80453140)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 振動緩和 / 蒸発 / 赤外線 / 溶剤 / 分子内振動の緩和 / 溶剤の赤外線吸収帯 / 溶剤乾燥 / 赤外線連続照射 / 気液界面 / 赤外線吸収 / 波長 / 乾燥 / 界面 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、溶剤が吸収する赤外線を気液界面の溶剤分子に連続照射して分子内振動を励起し、分子内振動が分子間振動へ変換(緩和)される挙動を、赤外線照射実験により明らかにする。さらに、得られた緩和挙動を組み込んだ分子動力学解析と分子動力学解析によって得られた境界条件を用いたボルツマン方程式解析と、溶剤の乾燥実験によって、溶剤の蒸発量を求め、溶剤乾燥に効果的な溶剤の赤外線吸収帯を溶剤(水、IPA、トルエン)ごとに解明する。また、解析結果と実験結果を比較し、分子内振動の励起・緩和が溶剤乾燥に及ぼす効果を定量的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、(1)溶剤の吸収波長に赤外線を連続照射した時の緩和挙動の把握と(2)分子動力学法とボルツマン方程式解析による溶剤の蒸発挙動の把握を行った。 (1)では、水の変角振動を起こす赤外線を連続照射した場合に、水の蒸発に関与する束縛回転振動の波長域で、熱伝導で加熱した場合よりも、5%程度、蒸発が促進される可能性があることが分った。 (2)では、局所加熱による蒸発分子について、法線方向温度は局所加熱温度とほぼ等しくなり、接線方向温度は非加熱状態のバルク液体と近い温度を取る非等方性を有していること、気体中の非凝縮性気体の数が多くなるほど、分子の衝突により、等方的な分布になることが分った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、(1)溶剤の吸収波長に赤外線を連続照射した時の緩和挙動の把握と(2)分子動力学法とボルツマン方程式解析による溶剤の蒸発挙動の把握を行った。 (1)で得られた成果は、乾燥の分野で望まれている可燃性溶剤の着火、被加熱物の熱変性や製品の変形を防ぐために、低温空間(炉内の温度を低く保つ)での乾燥の実現につながる意義を持つ。(2)で得られた成果は、気液界面の分子を局所加熱することによって、蒸発を促進できることを示しており、溶剤の分子内振動を励起し、分子間振動を緩和させて乾燥させる本乾燥方式のメカニズム解明の基礎的知見となる。
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