研究課題/領域番号 |
19H02082
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
有江 隆之 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80533017)
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研究分担者 |
佐藤 和郎 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (30315163)
村上 修一 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主幹研究員 (70359420)
中山 健吾 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (00736275)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | グラフェン / フォノン / 歪み / 熱電変換 / 熱フォノン |
研究開始時の研究の概要 |
熱は古くから我々の身近に存在するにもかかわらず、特に微小スケールにおける熱伝導については完全には明らかになっていない。本研究では、結晶の構造欠陥や歪みによる熱伝導への影響を明らかにするため、二次元材料のグラフェンをモデル材料として、熱伝導を正確に評価し熱伝導制御の正確な理解につなげる。またこれを利用して、熱ダイオードや熱スイッチ、熱レンズなど、熱伝導を自在に操ることが可能な熱デバイス開発につなげていく。
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研究成果の概要 |
熱電変換の性能を向上させるためには、なるべく熱伝導率を低下させることが重要である。二次元原子層材料であるグラフェンの熱は、電子ではなくフォノンと呼ばれる準粒子が運ぶため、本研究ではグラフェンをモデル材料として用い、歪みを導入することで熱伝導率を低減させることを試みた。気圧差を利用したグラフェンデバイスでは、気圧を制御することにより0.07%歪みを導入することで、熱伝導率を60%低下させることに成功した。さらに静電引力を利用したグラフェンデバイスでも0.1%の歪みで70%の熱伝導率低減を実現した。これらの知見はフォノンが熱伝導を担う材料について、熱伝導率を低減させるための重要な方策を与える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱を電気に変換する熱電変換は、従来廃棄されていた熱エネルギーを再利用するという観点から、現在非常に重要な技術と位置づけられている。熱電変換ではできるだけ電気特性を向上させるとともに熱伝導特性を低下させると性能が向上するが、両立させるのは困難である。本研究では二次元原子材料であるグラフェンをモデル材料とし、面内にわずかな歪みを導入することで、熱伝導特性を大幅に低下させることに成功した。今後さらに高性能の材料を使う上でも本研究で得られた知見は有用である。
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