研究課題/領域番号 |
19H02087
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
山下 雄一郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (60462834)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
|
キーワード | ナノスケール熱輸送 / サーモリフレクタンス測定 / 伝熱シミュレーション / スパッタリング / 酸化物薄膜 / 熱伝導率 / 薄膜熱輸送 / 界面熱抵抗 / 界面ラフネス / 熱伝導 / アモルファス / サーモリフレクタンス法 / ナノスケール / 多層薄膜 / フォノン熱伝導 / 薄膜 / 分子動力学法 / 薄膜熱物性 / シミュレーション / データベース |
研究開始時の研究の概要 |
金属/酸化物/金属の3層薄膜では酸化物層の薄膜化により金属/酸化物界面熱抵抗が消失もしくは急減する特異熱輸送現象となる。本研究は、高誘電率酸化物層の導入、酸化物層へのドーピングや単結晶化により、誘電率、導電性に加え構造(界面・結晶性)を制御し、高速熱過渡現象をパルス光加熱サーモリフレクタンス法により観測し、特異熱輸送現象の発現を体系的に把握する。さらに分子動力学法や第1原理計算を用いた熱輸送計算からその学理解明に迫る。得られた実験結果および熱物性データはデータベースとして整備・共有する。
|
研究成果の概要 |
金属/金属酸化物/金属の3層薄膜構造において、金属酸化膜層がおよそ3 nmより薄くなると界面熱抵抗や金属酸化物膜の熱抵抗が減少する特異な現象が報告されてきた。本研究ではその発現機構を、実験および計算の両面から解明することを目標とした。実験からはMo/HfO2/Mo 3層薄膜について、HfO2層がおよそ3 nmの薄さから特異な熱輸送が生じることを明らかにした。さらに実験で得られた物性を用いたMoとHfO2の界面ラフネスを考慮した伝熱シミュレーションから、界面ラフネスが実効的な熱抵抗を減少さることを明らかにした。これにより、この特異な熱輸送は界面ラフネスの影響が一因であると結論付けられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
表面粗さに伴う伝熱促進は主に固体―液体、固体―気体の界面を対象に研究されてきた。本研究成果はナノスケールの界面ラフネスを持つ極薄金属酸化物薄膜について、その両側を高熱伝導性の金属膜で挟めば、固体―固体界面においても顕著な熱抵抗減少(伝熱促進)効果が現れる事を実験と計算の両面で示した。これより固体デバイスの高効率エネルギー利用につながるナノスケールでの伝熱性能向上に向けた界面エンジニアリングへの発展が期待される。
|