研究課題/領域番号 |
19H02090
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
藪野 浩司 筑波大学, システム情報系, 教授 (60241791)
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研究分担者 |
山本 泰之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (00398637)
松本 壮平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 副研究部門長 (70358050)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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キーワード | レゾネータ / 弾性計測 / 共振 / 自励振動 / モード局在化 / 弱連成 / レゾネーター / バーチャル / 計測 / 高感度計測 / カンチレバー / 非線形 / マイクロレゾネーター / 生体試料 / バーチャルレゾネーター / FPGA / 原子間力顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞の特性を知るための指標として、その硬さがある。硬さを調べる方法はさまざま存在するが、細胞など微小な測定物の弾性を精度よく計測することは、従来法の延長では不可能である。そこでお互いに力を及ぼし合う2つの同一の振動系を用意する。何も力が作用していない場合は、二つの振動系の振幅比は1:1である。これに対して、2つの内の一つの振動体に力が加わると、たとえそれが極めて小さい力であっても、振幅比が1:1から大きくずれる。この現象を使った、高感度な弾性計測システムを本研究では構築していく。
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研究成果の概要 |
微小物体の弾性力の計測を超高感度で行うため、バーチャルレゾネーター方式を提案し、実際に微小剛性計測を行い、その有効性を確かめた。レゾネータ(振動子)を測定対象に接触させて、その剛性を計測する。このレゾネーターと同種のレゾネーターを弱く連成させると、感度が向上することが知られている。このようなレゾネーターを実現するために、バーチャル方式(実際のレゾネーターを用いるのではなく、コンピューター内でそれを構築する方法)を提案し、弾性力を模擬できる原子間力を計測して、その有効性を確かめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、微小な弾性力の計測法が構築された。弾性力とは物体の硬さを意味する物理量である。とくに生体試料の硬さを調べることは、がん細胞などを識別したり、iPS細胞の優劣の識別など、医学的な分野への貢献度が高く、新しい生体工学の発展に大きく寄与するものと考える。すなわち、これまで化学的に行われてきた細胞の識別が、物理的に行われ、計測試料に影響を与えずにそれが可能になる。さらに、弾性力は質量と並ぶ基本的な物理量であり、微小弾性力計測の方法を確立したことは、物理学全般にわたり、これまで不可能であった、物性の特徴づけに新たな展開を生み出すことになる。
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