研究課題/領域番号 |
19H02148
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
辻 俊宏 東北大学, 工学研究科, 助教 (70374965)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 弾性表面波センサ / アンダーサンプリング / 微量水分 / ステンレス配管 / 内面処理 / ガスクロマトグラフィ / ステンレス鋼 / 吸脱着特性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本が世界をリードする革新的技術(青色発光ダイオード、有機EL、リチウムイオン電池など)に関する産業において重要なステンレス鋼配管の水分吸脱着特性の解明に着目し、高再現性の微量水分発生法と、弾性表面波(SAW)の超長距離伝搬を利用して微量水分を高感度かつ高速に計測可能なボールSAWセンサを組み合わせてインバースガスクロマトグラフィ(IGC)を構成し、配管材料システムの曲げ・溶接による初期吸脱着特性変化を定量化することにより、世界初の実用配管システム評価法の開発を行う研究である。
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研究成果の概要 |
本課題では革新的半導体や二次電池の開発で重要な微量水分制御に必須の高純度ガス用ステンレス配管において、システム構築時の評価法が確立されていない加工の影響を明らかにするため、微量水分のプローブガスとボールSAW微量水分センサを用いた逆相クロマトグラフ(IGC)を検討した。クロマトグラムの時間分解能1sを達成する測定法を開発し、試プローブガスの通過時間を評価した結果、曲げひずみ誘起組織において水分子の完全な脱離は困難だが、1ppbv以上では残留吸着分子への多層吸着が脱着を容易にし得ることが分かった。溶接部の内面状態が著しく悪い場合には、配管長の5%以下でも検出できる可能性があることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
弾性表面波素子の位相測定には長い波形が有用と考えられるが、BUS回路で得た短い波形でも十分な精度の情報が得られたことは縦軸分解能の向上もまた有用であることを表す。これは、繰り返し周波数の制約で平均化回数に限界があってもAD変換器のビット数で対処し得ることを実証した点で意義がある。そして、実用金属材料の清浄表面における曲げひずみ誘起組織と水分子の吸脱着を分析できる基盤が構築されたことは、単結晶のモデル材料で報告されていた酸化の影響がほとんどない不活性雰囲気において表面に露出したすべり面(最密充填面)が水分子の吸脱着を起こしやすい性質があることを実用的な材料でも初めて確認できた点に意義がある。
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