研究課題/領域番号 |
19H02208
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宮本 慎太郎 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60709723)
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研究分担者 |
皆川 浩 東北大学, 工学研究科, 准教授 (10431537)
斎藤 豪 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90452010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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キーワード | 硫酸塩劣化 / ettringite / thaumasite / 熱力学的相平衡計算 / カルシウムシリケート水和物 / Ettringite / 多変量解析 / XRD/リートベルト法 / C-S-H / 化学分析 / エトリンガイト / AFm相 / DEF / ソーマサイト / Thaumasite |
研究開始時の研究の概要 |
コンクリートの硫酸塩劣化の研究は,主に劣化原因であるettringiteの析出に関するAlの反応経路に関する研究が多い.一方,DEFと呼ばれる内在する硫酸塩の影響で生じる劣化が近年報告されているが,DEFにはセメントマトリックスの主鉱物相であるカルシウムシリケート水和物(C-S-H)が関与している可能性が指摘されている.さらに,TSAと呼ばれる硫酸塩劣化も,劣化の原因となるthaumasiteはSiを組成しているためC-S-Hが関与している可能性は高い.本研究では,C-S-Hがこれらの劣化にどのように関与しているのかを明確にし,当該劣化に対するリスククライテリアを整理することを目的とする.
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研究実績の概要 |
世界では硫酸イオンを組成したettringiteと類似した鉱物であるthaumasiteの析出に起因した劣化が度々報告されている.ただし,thaumasiteが析出する条件などは分かってきてはいるものの,そのメカニズムについては理論的に説明されている例はなく,当該劣化を理解する上でthaumasiteの析出メカニズムを解明することは非常に重要である. 今年度はこれまでに明らかになっていないthaumasiteの析出メカニズムを解明することを目的とした.本目的を達成するために実験とともに熱力学的相平衡計算を用いて数値計算側からもthaumasiteの析出メカニズムの解明にアプローチした. その結果,まず,粉末X回折や示差熱-熱重量同時測定,走査型電子顕微鏡,フーリエ変換赤外線分光のいずれの分析においても,様々な報告と同様に硫酸ナトリウム溶液と比較して硫酸マグネシウム溶液がセメント硬化体に作用した系においてthaumasiteの析出が顕著であった. 一方で,熱力学的相平衡計算を適用した場合,硫酸ナトリウム溶液の方が硫酸マグネシウム溶液と比較してthaumasiteが析出し易い結果となった.この実験と計算の乖離について,熱力学的相平衡計算に対して結晶の安定条件を新たに追加することで硫酸マグネシウム溶液が作用した場合の方が硫酸ナトリウム溶液が作用した場合と比較してthaumasiteが析出し易くなることを明らかにした.この結果はthaumasiteの析出メカニズムの解明の一助になると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は熱力学的相平衡計算の硫酸塩劣化に対する適用の点について新たな考え方を導入して大幅に再現精度を向上することができたため,おおむね順調に進展していると評価した.
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今後の研究の推進方策 |
今年度までに,特に熱力学的相平衡計算による硫酸塩劣化の再現について大きな成果が得られた.ただし,熱力学的相平衡計算に使用するデータである平衡定数については温度依存性やイオンの状態などの影響を考慮し切れていないなどいくつかの問題が残されている可能性がある. 以上を踏まえて,今後は熱力学的相平衡計算に実装する平衡定数の算出等に関して基礎的な実験を通して再考していく予定である.
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