研究課題/領域番号 |
19H02218
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 佳孝 東京理科大学, 理工学部土木工学科, 教授 (80272516)
|
研究分担者 |
伊代田 岳史 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20549349)
加藤 絵万 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, グループ長 (90371765)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
|
キーワード | 鉄筋腐食 / コンクリート / 飽水度 / 維持管理 / 発錆条件 / セメント硬化体 / 細孔組成 / 予防保全 |
研究開始時の研究の概要 |
島国であるわが国は,港湾構造物の機能が停止するとその損失は甚大である.その主要な構造物であるRC構造物は,海水等の作用によって鉄筋が腐食すると想定外力に耐えられなくなり,機能停止に至るリスクが高い.この様な背景からRC構造物の鉄筋腐食に関する既往研究は多いが,セメント硬化体中の鉄筋の発錆条件が曖昧であることから,適切な予測ができず,過剰な安全を見込んだ維持管理となっている.本研究では,コンクリート中鉄筋の発錆条件を理論的に整理するとともに,鉄筋の発錆時期の推定方法を構築することで,この問題を根本的に解決することを目指す.
|
研究成果の概要 |
コンクリート中の鉄筋の発錆条件を整理し,鉄筋の発錆時期の推定方法を構築することを目的として実施した.研究成果として,発錆条件に与える塩化物イオン濃度と酸素濃度の関係を実験的に取得した.発錆後の腐食速度は,鉄筋表面のセメント硬化体中の飽水度が60~80%程度で最大になることも明らかとした.さらに,セメン硬化体が乾燥すると,鉄筋の腐食が進行するためには,外部から液体の水の作用が必要不可欠であることも明らかとした.すなわち,セメント硬化体の乾燥状態を把握することが極めて重要であるとの結論に至り,気象情報とコンクリートの特性値から,実構造物のコンクリートの乾燥程度を予測できる可能性を見いだした.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は,セメント硬化体中の鉄筋について,発錆条件および腐食速度に与える影響を精密な実験に基づいて定量的に整理したことにある.この結果,腐食リスクのあるRC構造物の維持管理においては,コンクリートの乾燥状態と,液体としての水の作用に着目することが極めて重要であることを明らかにした.また,申請時の計画では想定できなかったために研究期間内では完遂できなかったが,バルク法に着目し,気象情報とコンクリートの特性値から,実構造物のコンクリートの乾燥程度を予測できる可能性を見いだした.今後,この方法を発展させることで,実構造物の維持管理において活用できる技術になりえると考えている.
|