研究課題/領域番号 |
19H02226
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三木 朋広 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30401540)
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研究分担者 |
上田 尚史 関西大学, 環境都市工学部, 准教授 (20422785)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 微視-構造連成破壊力学 / アルカリシリカ反応(ASR) / 水中圧縮疲労 / ひび割れ密度 / せん断スパン有効高さ比a/d / RCディープビーム / 圧縮破壊エネルギー / ケミカルプレストレス / せん断耐荷機構 / せん断圧縮破壊 / せん断抵抗機構 / 3次元可視化 / 寸法効果 / ポストピーク挙動 / RCショートビーム / RCスレンダービーム |
研究開始時の研究の概要 |
コンクリート自体の劣化現象である「アルカリシリカ反応(ASR)」に着目し、劣化したコンクリート部材の荷重に対する抵抗機構を理論的に説明することを目指す。これによって、劣化した構造物が現在、受け持つことのできる荷重(耐荷力)を知ることができる。そこで必要な「劣化した材料の力学特性は何か」という問いに答えるため、コンクリート内部の損傷の3次元可視化に基づく微視的把握とそのモデル化を行う。さらに、新たな力学体系「微視-構造連成破壊力学」を提唱して、劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構を解明していく。今後の展開としては、本成果の社会実装による既設構造物の性能評価の高度化への貢献が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では,アルカリシリカ反応(ASR)によって劣化したコンクリート部材のせん断抵抗機構を解明するため各種検討を行った.要素検討では,水の存在が,繰返し荷重下におけるASRによるひび割れの進展に与える影響を調べるため,劣化度を非破壊試験結果に基づき定量化したのち,水中圧縮疲労試験を実施し,低サイクル圧縮挙動,特に繰返し載荷中の圧縮ひずみの増加プロセスを実験的に捉えることに成功した.また,異なるせん断スパン有効高さ比a/dのRCはりを対象とし,斜めひび割れの発生荷重,ひび割れの角度や分散性の違いにより,a/dが異なるASR供試体のせん断耐力に与える影響を明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ASRによる劣化は「水」の影響を受けるため,同一構造物であっても桁端部や橋脚上部など,水の影響の多寡により損傷状態が異なる.また,ASRが生じたコンクリート部材では,コンクリート内在の損傷が空間的に分布するため,部材から採取したコアの力学特性と構造部材の特性を直接関連づけることができない課題がある.本研究の成果により,劣化状態の空間分布やばらつきを考慮して,内在損傷が外力によって生じるひび割れ進展自体や,部材の終局時に見られる破壊の局所化現象に及ぼす影響が明らかとなった.今後,部位の損傷状態やその程度に従って必要な箇所に絞って補強するといった,適切な補強対策が可能となると考えられる.
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