研究課題/領域番号 |
19H02238
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
古谷 元 富山県立大学, 工学部, 教授 (80378926)
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研究分担者 |
王 功輝 京都大学, 防災研究所, 教授 (50372553)
渡部 直喜 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 准教授 (60282977)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 地温計測 / 地すべり動態観測 / 物理探査 / 室内散水試験 / 地下水の押し出し現象 / 地すべり移動速度 / 効果判定 / 室内人工降雨実験 / 地下水の押し出し / 移動速度予測 / 可視化 / 地下水の涵養年代 / 移動予測 / モデル実験 |
研究開始時の研究の概要 |
自然斜面における流動地下水脈の動態を現地調査と室内試験により解明するとともに,斜面移動速度予測法を適用し,実測値に基づいた従前よりも高度な斜面危険度予測法を提案する。具体的には, ①:地温センサによる流動地下水脈の動態観測と孔内水位と移動量観測 ②:物理探査による自然斜面構造の可視化とせん断試験による強度特性の計測 ③:地下水の化学分析と年代測定による地下水の押し出し現象の解明 ④:①~③を踏まえて実測値に基づいた斜面移動予測法を構築し,的確な斜面防災・災害軽減対策に資するための斜面危険度評価法の提案 である。
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研究成果の概要 |
地すべり土塊内の流動地下水の動態を解明するために,地温計測を主体とした現地観測と室内散水実験を実施し,ダンパーを組み合わせた運動方程式に基づいたモデルで地すべりの移動速度について再現を試みた。その結果,地すべり土塊内の地下水の上昇は,浸透水が基底水位に到達して生じる従来の過程だけでなく,土塊内の間隙空気が深部地下水を浅層部への押し出しによることが判明した。円筒管を用いた室内散水試験結果からもこの押し出しの存在が確認できた。上述の計算モデルにより地すべり移動速度を簡便に再現することが概ねできた。さらに切土斜面で発生した地すべり地に適用し,時系列的な応急対策工の効果判定が可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義は,地すべり滑動に関与する孔内水位(間隙水圧)の上昇が,従前からの降雨浸透過程の他に,詳細な地すべり土塊の地温変化の計測より,豪雨時の浸透過程で土塊内の間隙空気が深部地下水を押し出すことが判明した。ダンパーを組み合わせた運動モデルにより,地すべりの移動速度を時系列的に再現できたことである。 社会的意義は,斜面防災の観点から,前者の調査を斜面上で面的に展開することにより,効率的かつ効果的な地下水排除工の位置選定が大いに期待できること,後者の手法を対策工施工時に併用することにより,簡便かつ時々刻々と対策効果の評価が可能になることである。
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