研究課題
基盤研究(B)
新しい地盤改良技術として検討が進められている微生物固化技術を対象とし,従来技術で課題とされていた必要な炭酸カルシウム量を得るまでの通水回数を可能な限り減じる補助剤としてテンペラ(展色材)に着目した.固体状のテンペラはアルカリ条件下で溶解するため,従来の微生物固化技術と組わせることで溶液の粘度やpHを適切に制御することで1回の施工により目的とする効果を得る新しい地盤借り用技術の実用化に取り組む.
本研究では,新たな地盤改良技術として注目されている微生物(酵素)固化技術で課題とされている所定炭酸カルシウム析出量確保のための通水(注入)回数を削減し,1回施工で必要な強度を確保する1shot微生物固化技術の実用化を目指した検討を行った.具体的には,酵素触媒とテンペラ(展色材)の組み合わせにより従来術よりも結晶サイズを大きくさせることで効率的に骨格構造を作り出す手法の提案と室内試験による有効性評価を行った.試験の結果から,提案手法は従来技術と比較して少ない炭酸カルシウム析出量で高強度化が可能となった.展色材には食品廃棄物を利用する効果も確認でき,環境面・コスト面に優れた手法の提案ができた.
1990年代から検討が進められてきた微生物固化技術では,①尿素の加水分解に伴い発生するアンモニアの処理,②目標強度達成に必要となる炭酸カルシウム析出量確保のために複数回の施工が必須である,といった課題が指摘されている.このような問題に対し,本研究では展色材(テンペラ)を組み合わせることで従来よりも大きなサイズの炭酸カルシウム結晶を砂粒子間に効率的に析出させることで従来よりも少ない固化剤添加量で必要な強度を得る新しい技術の有効性を示した.提案手法により従来技術の課題を解決できることはもちろん,展色材に食品廃棄物を活用することで農業資材と食品廃棄物を利用した新しい地盤改良技術の普及を目指す.
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