研究課題/領域番号 |
19H02267
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
鈴木 美緒 東海大学, 建築都市学部, 准教授 (20573926)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 交通安全 / 高齢者 / シミュレータ / バーチャルリアリティ / 認知症 / 高齢ドライバー / 認知機能障害(MCI) |
研究開始時の研究の概要 |
わが国は超高齢社会を迎えており,自動車運転中の事故が深刻化している.現状でも免許取り消し施策を講じているが,運転を辞めた後の利用が予想される自転車の安全性も問題視されている.本研究では,高齢者の認知機能や身体機能の低下と自動車・自転車の運転技能を把握し,他の交通手段への転換も含めた適性を診断,運転の限定のさせ方や運転を辞めた後の交通手段に至るまで,移動の継続を前提とした生活について一体的,時系列的に提案を行なう支援システムを構築する.
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研究実績の概要 |
以下の研究を遂行し,知見を得た. ★教習所で実車による実験を実施した際に,ストレス計測による負荷の推移を検証した.その結果,認知機能の落ちている高齢ドライバーと健常高齢ドライバーとの間に,心理的負荷がかかるタイミングが異なることが明らかになった.教習所においては,健常高齢ドライバーはS字や車庫入れ等,技能を伴う運転を行なっている最中にストレスを感じていたのに対し,認知機能の衰えた高齢ドライバーは,技能を必要とする場面に至る前に緊張状態となり,S字や車庫入れの最中には緊張状態が解けていることが明らかとなった.また,認知機能の衰えたドライバーはS字や車庫入れで脱輪しても切り返さずに抜けようとする傾向も見られ,緊張状態を持続して運転できていない傾向が見られた. ★高齢ドライバーの行動範囲と駐車場選択行動について調査し,心理的負荷を抑えた運転行動について把握した.高齢ドライバーに限らず,現状の25%程度の駐車料金にならない限り,自転車等のラストワンマイル交通手段が利用できる環境であっても目的地に最も近い駐車場を選択することがわかり,都市計画で謳われるフリンジ駐車場の実現可能性に対する課題が明らかとなった.また,高齢ドライバーはある程度目的地が限定されていることから,駐車場についても縁石にぶつけて停止する等,自身にとって楽な駐車方法を実践していることがわかり,駐車場デザインにも安全上の対策が必要であるとの示唆を得た. また,成果の公表を通し, ★海外での交通事故状況から,高齢ドライバーの運転に関わる環境について意見交換した.高齢ドライバーの問題が海外でも顕在化しており,自転車乗用中の事故も問題視されていることを確認するとともに,今後の実験への示唆を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVIT-19の影響で被験者となることに同意する高齢者の数は減っているが,効率的に実験を実施するなどして研究を遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
高齢ドライバーは短期的に身体能力や脳機能が変化することが指摘されており,季節変動の影響もあるとされていることから,季節変動や短期の変化に着目し,実験を実施して危険運転の兆候を捉えるための知見を得る. 同一被験者での実験を計画することで,被験者募集が効率化され,研究成果が確実に得やすくなる.
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