研究課題/領域番号 |
19H02272
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
本多 了 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (40422456)
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研究分担者 |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
西山 正晃 山形大学, 農学部, 准教授 (10802928)
原 宏江 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (70823524)
松浦 哲久 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (90771585)
田中 宏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (70344017)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / 雨天時下水越流水 / 都市河川 / 微生物群集 / 薬剤耐性遺伝子 / 微生物起源追跡 / 薬剤耐性菌 / 残留医薬品類 / 排出源追跡 / 水環境 / 合流式下水道 |
研究開始時の研究の概要 |
環境中の薬剤耐性菌の多様な排出源からの拡散動態を把握することを目的として, (1)耐性遺伝子と微量化学物質を用いた排出源追跡手法の開発, (2)開発した新規手法の適用による薬剤耐性菌の排出源からの拡散動態の解析,を行う。 薬剤耐性遺伝子の配列相同性に基づく進化的プロファイルを用いて,自然由来と流域間の広域移動による長い時間スケールでの薬剤耐性菌の拡散を把握する手法と,微量化学物質マーカーによる分解や沈降を考慮した,より短い時間スケールでの拡散動態を把握する手法を開発し,その手法を実際の流域に適用して,各流域における多様な排出源からの薬剤耐性菌の拡散動態の時間的・空間的スケールを明らかにする。
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研究成果の概要 |
都市河川を対象とした調査より,雨天時の下水越流水の出水時には,薬剤耐性の割合が上流から下流まで一様に増加することが明らかになった。また,薬剤耐性遺伝子の細菌間の水平伝搬による拡散要因として懸念される可変遺伝因子の割合も雨天時の下水越流水の出水時に増加していたことが明らかになった。また,実験により底泥環境下でβラクタマーゼ産生遺伝子が他の細菌に水平伝搬しうることも明らかとなった。これらのことから,雨天時の下水越流水の放流により,下水由来の薬剤耐性の多く流出するだけでなく,遺伝子水平伝搬による拡散がより起こりやすい状況にあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により,合流式下水道雨天時越流水が河川環境中における薬剤耐性の拡散動態に与えている影響が明らかになった。都市下水は,環境中に拡散する薬剤耐性の主要な排出源であり,その拡散の低減において,雨天時下水越流水の制御が重要であることが明らかになった。また,環境中における遺伝子水平伝搬による細菌間での薬剤耐性の拡散について,底泥環境下で一定の割合で起こりうることが示唆され,雨天時下水越流水によって,水平伝搬の要因となる遺伝子の放流量も増えることが明らかになった。以上のことは,ワンヘルスの考えのもとで環境中の薬剤耐性の拡散を抑制するために重要な知見である。
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