研究課題/領域番号 |
19H02287
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
上林 宏敏 京都大学, 複合原子力科学研究所, 准教授 (30300312)
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研究分担者 |
長 郁夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (10328560)
新井 洋 国立研究開発法人建築研究所, 構造研究グループ, 上席研究員 (40302947)
大堀 道広 福井大学, 附属国際原子力工学研究所, 准教授 (50419272)
吉田 邦一 一般財団法人地域地盤環境研究所, その他部局等, その他 (50425732)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 微動 / 不整形地盤 / 位相速度分散曲線 / H/Vスペクトル / シミュレーション / ピーク位相速度 / 実体波 / ラブ波 / レイリー波 / 京都盆地 / 大阪盆地 / HVスペクトル比 / 全波動場 / 空間微分 / 水平成層地盤 / 新手法 / 不整形地盤構造 / 全波動場と空間微分 / 位相速度 / 実効位相速度 / 傾斜基盤面 / 模擬微動波形 / ベンチマークテスト / 地下構造推定 / 微動探査 |
研究開始時の研究の概要 |
発生が危惧される大地震による構造物の応答を予め評価するために必要な,地面の揺れ(強震動)の高精度な推定には,構造物周辺の3次元地下構造の把握が必要となる。 様々ある推定法のうち,微動探査は同時に多くの地点を低コストで実施できる。これまでの微動探査は,地層が水平かつ平行に堆積したモデル仮定に基づいてきた。しかしながら,平野周辺部や平野内に存在する断層帯付近では,不整形な地層形状を有しており,上記仮定に基づく手法の適用限界があるにも関わらず,これまで系統的な評価は行われてこなかった。 本研究では,既に現実的な3次元地下構造が構築されているモデルを用いて,数値実験に基づいて上記の評価を行う。
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研究実績の概要 |
水平成層地盤モデルにおける微動による位相速度やH/Vスペクトルにおいて、従前の表面波場のみなならず、実体波を含む全波動場を対象とした評価手法の提案を行い、その妥当性を評価するため、実サイト(京都盆地基準ボーリング地点KD-1)における観測記録に基づく調査および分析を行った。 KD-1地点及びその周囲での微動の上下動アレイ記録及び3成分単点記録から求めたピーク状の位相速度及びH/Vスペクトルを求め、それらが実体波成分を含む全波動場の理論計算により再現できることを示した。さらに、基盤面のS波速度を超える仮想的な高速度層を基盤層の下方に接続したモデルに対して、表面波場の計算を行うことで、実体波と同様のピーク状の位相速度が再現できることが分った。 3次元大阪堆積盆地における模擬微動波形を用いた位相速度およびH/Vスペクトルの評価については、微動場に含まれるレイリー波(P-SV波)とラブ波(SH波)の各波動場への分離が有効であると考える。その分離手法の一つである、ヘルムホルツ分離の不均質な地盤における適用性について調べた(継続して検討中)。波動場として複雑な微動場への適用の前に、比較的コヒーレントな波動場で構成される断層震源モデルによる模擬地震動が既に作成されている2018年大阪府北部の地震による再現波形へ、へルムホルツ分離手法を適用し、各波動種別への分離波場について波動論的な見地から分離手法の妥当性を評価しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた、微動のアレイ観測および単点3成分観測の実施が、新型コロナ感染症の拡大に伴う共同研究者や協力者の行動制限により、行えなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
京都盆地における微動のアレイ観測および3成分単点観測のデータ分析を基準ボーリング地点KD-1に加え、KD-1とは基盤面深度が異なるKD-0およびKD-2地点についても行い、ピーク状の位相速度およびH/Vスペクトルへの実体波の影響度合いが地下構造の違いによってどのように変わるかをを調べる。 微動のピーク状の位相速度分散曲線については、モデル下方に高速度(cap)層を付加することによっても再現できることが既往の研究により示されている。実体波とcap層による表面波によって現れるピーク位相速度の成因について、波動論に基づいて詳しく調べる。 3次元堆積盆地にモデルにおける微動場のレイリー波場とラブ波場への分離手法に関する検討を引き続き行う。
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