研究課題/領域番号 |
19H02290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
塩屋 晋一 鹿児島大学, 理工学域工学系, 教授 (80170851)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | 木質ハイブリッド部材 / 集成材 / 鉄筋 / 柱 / 梁 / 接合 / 損傷抑制 / 大地震 / 木質ハイブリッド / 耐火 / 梁と柱の接合 / クリープ / カーボンニュートラル / 木質構造 / ハイブリッド部材 / 合成構造 / 鉄筋集成材 / 剛接合 / 残留変形抑制 / 高温クリープ |
研究開始時の研究の概要 |
我が国は、温暖多雨で樹木の成長が極めて早く、森林資源国家である。木材を建築の構造材として大量に利用することは建築分野が環境負荷の削減に貢献する。更に建物が役割を終えた後、その木質を効率よく燃焼させてエネルギーに変換できる。我が国はそれに適している。この概念は海外で研究されており、現在、欧州,北米等で積極的に試みられている。設計の自由度を高める,剛性と強度が高い木質軸材とそのラーメン構法が熱望されており、本研究ではスギ集成材に鉄筋を挿入して接着して、鉄筋コンクリートや鉄骨の部材と同等以上の構造性能を発揮させて、多くの建物を木質構造に転換させていこうとする設計方法の開発である。
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研究成果の概要 |
鉄筋コンクリート造や鉄骨造と同等以上の構造性能を発揮する木質ハイブリッド鉄筋集成材を用いる大規模木質ラーメンの限界耐力計算の設計技術を開発する研究である。集成材の樹種は成長の早いスギ(国内林の40%)を対象にしている。鉄筋集成材は曲げ縁に鉄筋を材軸方向に挿入してエポキシ剤で集成材内に接着する。これによりスギ集成材の曲げ剛性を4-5倍に増大させ、集成材に対して梁せいを約60%に縮減でき、曲げ強度も増大する。更に鉄筋による、木の曲げクリープの抑制効果を考慮すると、梁せいを55%に縮減できる。申請の期間の本研究では柱、梁、柱と梁の接合、梁の耐熱性能、および耐火性能を実験と解析により解明している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国では住宅・建築分野が二酸化炭素量の3割を排出し、セメントや鋼の生産の排出を加えると4割に及ぶ。建築材料・構造分野でもカーボンニュートラルに対応する新たな社会基盤への貢献が求められている。セメントと鋼は不可欠であるが、今後は構造部材を、CO2吸収を伴う自然循環により生み出される木質材料に転換させる技術を開発する必要がある。建築計画と設計へ自由度を与え、地球環境と調和する木質の柱・梁及び構造システムの構築が極めて重要である。 既存の木質構造では限界がある。その転換を加速させることを狙いに、本研究は木質ハイブリッド軸材と、その構造システム及び設計方法の開発を目指している。
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