研究課題/領域番号 |
19H02297
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
金田一 清香 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (00396300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2019年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
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キーワード | エナジーポートフォリオ管理 / ヒートポンプ / 未利用熱 / 地中熱 / 貯留水 / 地中熱地中熱 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、温暖地の非住宅建築物を対象とした未利用熱(地中熱、河川水、貯留水)と空気熱とのハイブリッド熱源による空調用ヒートポンプシステムの設計および持続的な運用を可能にする「エナジーポートフォリオ管理」を開発する。各熱源の特性を考慮したシステムシミュレーションにより、20年間でのシステム全体の年間エネルギー効率および熱源サステナブル指数の変化を視覚的に把握できるポジショニングマップを作成し、未利用熱と空気熱の機器容量の比率、および負荷変動に応じた最適運用条件を明らかにする。これにより、汎用性の高い未利用熱の活用指針を確立することができ、真に再生可能なヒートポンプシステムの創造につながる。
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研究成果の概要 |
本研究では、未利用熱と空気熱とのハイブリッド熱源による空調用ヒートポンプシステムの設計と持続的な運用管理を一貫して行う「エナジーポートフォリオ管理」を提案し、延床面積2000 m2の事務所用途建物と、広島大学東広島キャンパスの各学部建物を対象にシミュレーションを実施した。未利用熱ヒートポンプは水配管が必要になる場合が多いため、水搬送動力を含めたシステム全体での評価が重要であることから、実験システムを構築し、搬送動力や熱源の温度特性を考慮した制御方式を採用した点が特徴である。適切な設計と運用の下では、暖房時は30%~40%、冷房期は25%~35%の省エネルギー効果が持続的に得られることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、冷房需要の多い温暖地の非住宅建築物における省エネ打開策として、未利用熱と空気熱を併用するヒートポンプシステムに注目し、搬送動力を含めたシステム全体のエネルギー効率の最大化を目的に、設計段階だけでなく運用段階においても持続的に運用改善を実践する手法として、エナジーポートフォリオ管理を提案した。将来的には、中央監視システムに適用することで、設計者・施工者または現場管理者による自発的なPDCAサイクルの循環を生み出すことを目指しており、後の再生可能エネルギー社会への転換に向けた一方策として、政策や実社会への波及効果が期待できる。
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