研究課題/領域番号 |
19H02321
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
菅原 麻衣子 東洋大学, 福祉社会デザイン学部, 教授 (90361790)
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研究分担者 |
是枝 喜代治 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (70321594)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | インクルーシブ教育 / 重度重複障害 / 学校施設計画 / 通常学校 / 特別支援学校 / イタリア / カナダ / スウェーデン / 教育環境整備 / 国際比較 / 障害児 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では重度重複障害のある子どもにとってのインクルーシブ教育環境を追究するにあたり、早くから統合教育を進めてきたイタリア、人権・教育保障の強力な法整備が進むカナダ、高福祉国家かつインクルーシブ教育が進んでいるスウェーデン、そして世界の潮流とは異にして特別支援教育に重きをおく日本、これら4か国をフィールドとする。各国におけるインクルーシブ教育の意味づけと教育体制を捉え、それらに対応した施設計画と合理的配慮について国際比較分析を行い、これら複合的観点からまとめた学校施設の「インクルーシブ教育環境整備基準」を提示する。
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研究成果の概要 |
イタリア、カナダ、スウェーデン、日本の国際比較から、各国でインクルーシブ教育の捉え方、また環境整備の内容について特性が明らかになった。具体的には、重度重複障害でも通常学級で学ぶことに主眼を置くイタリアとカナダ、知的障害については明確に学びの場を分けるスウェーデン、特別支援学級・学校が増え続けている日本である。また障害を考慮した空間整備がみられたカナダとスウェーデン、人的体制整備が中心で空間的な配慮は限られているイタリア、通常学級では特段の空間的な配慮はない日本である。日本の特別支援学校でみられる、障害を考慮した細やかな環境整備手法を、通常学校により転換すべきである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イタリアでは障害を考慮した空間整備はあまりみられなかったが、重度重複障害の生徒も通常学級で学ぶことが基本であった。これはインクルーシブ教育の実現にあたり施設整備は不要ということではない。施設整備の途上であっても人的体制の整備や教育手法・設えの工夫により実現可能であるといえる。よりよい教育環境のためにはカナダやスウェーデンでみられたように個別の配慮は重要であり、通常学校と特別支援学校の併設タイプでは共に学ぶことを促す柔軟かつ段階的な運用ができる平面構成や動線が捉えられた。これら他国の先進的な取り組みを捉えたことに学術的な意義があり、それらを日本の学校施設計画に落とし込むことに社会的意義がある。
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