研究課題/領域番号 |
19H02324
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
増田 達男 金沢工業大学, 産学連携室, 客員教授 (70125095)
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研究分担者 |
岩見 達也 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 防火基準研究室長 (20370744)
今井 健太郎 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー代理 (20554497)
三戸部 佑太 東北学院大学, 工学部, 准教授 (60700135)
林 吉彦 国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, グループ長 (70212157)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 津波火災 / 南海トラフ地震 / 瓦礫量 / 延焼予測 / 航空レーザ測量 / シミュレーション / GIS / 津波瓦礫 / 延焼シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災の373件の火災のうち43%は「津波火災」であった。来る南海トラフ地震では、太平洋沿岸の広い地域にわたって未曾有の津波火災が発生することは疑う余地もない。当研究チームは津波火災研究を継続しているが、その発生が2m~7mの浸水深に限られることを新たに発見した。まさに盲点であり、以下の重要な論点が得られた。第一に、津波火災のメカニズム解明に向け、不可欠な視点が明示された。第二に、最大級の津波よりも、100年サイクル程度の津波の方が、津波火災の発生リスクが高いことを示唆している。本課題では、津波火災に強い沿岸街づくりのあり方についての提言を目指す。
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研究成果の概要 |
航空写真解析により津波瓦礫を判別して航空レーザ測量データから東日本大震災の全域にわたる津波瓦礫量分布を取得した。これにより既開発の津波瓦礫堆積厚予測法における影響因子を導いて高度化し、他地域に適用可能な評価モデルを構築した。この評価モデルで予測した尾鷲市の津波瓦礫分布により津波火災シミュレーションを実施した結果、瓦礫の堆積範囲では津波による流出を免れた建物とともに延焼が拡大し、津波の浸水がなかった範囲へも延焼が拡大した。明らかになった市街地の延焼リスクに対して、木造家屋の防火性能の向上や樹林帯による延焼の抑止など現時点での社会的実績にもとづいて管理手法を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
南海トラフの巨大地震においては、未曽有の津波火災が予測されている。その脅威に応えた研究成果として社会的意義がある。東日本大震災の全域にわたる高精度の津波瓦礫データにもとづいた津波瓦礫の堆積予測法を開発し、市街地の延焼リスクをコンピューターシミュレーションによって明らかにした点に、学術的意義がある。その上で、現時点における社会的実績にもとづいて可能性のある管理手法を検討した点に社会的意義がある。
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