研究課題/領域番号 |
19H02329
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
松隈 洋 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (80324721)
|
研究分担者 |
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
角田 暁治 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (60379063)
笠原 一人 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (80303931)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 村野藤吾 / 図面 / 歴史 / 過去 / 伝統 / 写真 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、建築家村野藤吾(1891-1984)が設計した建築作品の図面資料などを基に、村野の建築設計の際の「歴史」や「伝統」、「過去」についての意識がいかなるものであったか、それが建築作品にいかに表現されていたか、について解明することを目的としている。 村野藤吾は1920年代から80年代にかけて活躍した建築家であるが、同時代の建築の理念と方法の主流をなしたモダニズムが「歴史」を断ち切って革新を目指していた中で、村野は常に「歴史」や「伝統」、「過去」を意識し、それを自らの作品に表現し続けた。その意識と表現の具体的なあり方を、村野の言説と具体的なデザインの両面から明らかにする。
|
研究成果の概要 |
2019年度と2020年度は、村野藤吾の増築および改修作品に焦点を当て、その「歴史」や「伝統」、「過去」への意識のあり方を解明した。村野の15作品を対象とし、「調和と区別」、「継承」、「重合」、「イメージチェンジとスケールダウン」、「計画学的対応」の5つの作法が読み取れることを明らかにした。 2021年度と2022年度は、村野の歴史観や過去へのまなざしが「現在主義」に基づいているとした建築評論家の長谷川堯に焦点を当てた。長谷川が村野作品を撮影した約4,000枚の写真を用いて、村野の「歴史」や「伝統」、「過去」への意識や態度と、長谷川の撮影方法が重なることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで村野藤吾は「歴史」に造詣が深い建築家であることが知られてきたが、それは村野の建築的教養の深さ、与条件の処理の巧みさといった次元で評価されてきた。「歴史」や「伝統」、「過去」についての意識や態度のあり方や、建築作品におけるその表現について、これまでその全体像を具体的に論じた研究は存在しなかった。本研究では、村野がいかなる方法やデザインで「歴史」や「伝統」、「過去」に向き合ったか、またその態度はどのような構造を持つ者であったのかについて、具体的に明らかにした点に特徴や独自性、新しさがある。
|